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永久的に大切な記録を預かる
データ金庫サービスへの商機
written in 2008/5/12
事例:Legacy.com 他

Legacy.com  浜松市のゴールデンウィークには全国的にも有名な「浜松祭り」が毎年開催される。これは男子の初節句を祝うために町単位の印が付けられた約3メール四方の大凧を揚げて、その凧糸を切り合うという勇壮なもので5百年以上の歴史がある。男子が初めて生まれた家では、この大凧を揚げるのが長い伝統になっているのだが、近年では少子化によって凧の数も減少してきている。

もちろん市内で子供がまったく産まれないということではないのだが、初子の凧を揚げるには100万円前後の費用がかかるために、そこまで積極的に祭りに参加できないという若い家庭が増えてきているのだ。しかしそれでは伝統の祭りが衰退してしまうということで、ここ数年で登場してきたのが「還暦祝い凧」というものだ。もともと祭り好きな人達が、60歳になった還暦祝いとして自分の大凧を揚げて祝うのである。現在の還暦といえば、ちょうど団塊世代に該当していて、こんなところにも少子高齢化の影響がみられる。さらに年月が経てば「祭りが好きだった故人を偲ぶ凧」が登場してきそうだという話もあるほど。このように、時代の変化によって祭りのスタイルも変わっていくのかもしれない。

昨今では「還暦」といっても、赤いちゃんちゃんこを着るようなことはほとんどない代わりに、自分の人生観を表現した思い出や記録を残したいという気持ちは強いようである。これは宗教観の変化とも関係しているもので、伝統的な宗教を信仰することばかりでなく、長年の仕事や趣味を通して得た思い出や記録、人生哲学のようなものを何らかの形で後世(子供や孫)に残したいという気持ちは高まっている。

そこで本を自費出版したいという人達も増えている。自分の原稿や写真を世の中に公開するだけなら無料のブログでも発信できる時代だが、後世に残るものを作ろうとすれば、はやり有形の本としての素材や装丁も重要になってくるし、プロの手による編集は、素人作品とはやはりレベルが違う仕上がりになるはずだ。ところが、実際の自費出版業界はトラブルも多くて、せっかくの商機を捉えきれていないのが実態。

さらに本以外でも「自分の軌跡や記録を残しておきたい、保存しておきたい」という需要は、新たなメモリアル市場として注目されている。思い出や記録の素材となるデータの多くは電子的に残しておける時代だからこそ、それを整理して永久保存してくれるようなサービスが求められているのだ。たとえば、学生の卒業アルバムのように、人生の思い出アルバムを制作することが定着するだけでも、その市場規模は莫大なものになるし、それ以外でも様々なメモリアル商品を生み出すことは可能である。ところがいまの電子データは、大切な記録を数十年先に残すことさえ難しい。それがどういうことなのかを把握することで、大切な記録を長期保存するサービスへの商機が掴めるようになる。
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この記事の核となる項目
 ●出版不況と自費出版ビジネスの曲がり角
 ●中身が伴わない自費出版の問題点とは
 ●非売品として売り込むメモリアル出版市場
 ●年齢別人口からみたメモリアル市場の商機
 ●本よりも短い電子記録メディアの寿命とメモリアル保存
 ●何百年も残るメモリアル媒体の開発商機
 ●永久的に大切な記録を預かるデータ金庫サービスへの商機
 ●医療情報を保管するグーグルの狙いとは…

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