written in 2006/3/5
事例:ClassMates Online 他
人生の中で「あの人は今どこに?」「あの人にもう一度会いたい」と心に秘めた想い出の一人や二人は誰の心の中にもあるものだ。それが大恋愛の末に別れた昔の恋人という映画のような話も悪くないが、現実に多いのは学生時代の旧友やお世話になった恩人などである。まだ若くて忙しく働いている時期には、過去の想い出を振り返る時間や余裕はないが、人生の折り返し地点を過ぎた頃から、何十年ぶりかに旧友達と再会したいと思うようになる。そんな心理からか、このところ中高年層の間で同窓会が静かな人気となっている。
定年退職を迎えたシニア層にとっては、“友達を作ること”が大切な課題の一つだ。仕事で培われた交際人脈の大半が退職と同時に途絶えてしまうため、これまでの環境とは違う人間関係を広げなくては人生を謳歌することはできない。といって、地域のボランディアやサークル活動などで新しい友達を作り、信頼関係を築くというのもなかなか難しい。そこで結局は、昔の友達へと回帰するというのが人間本来の習性といえるのかもしれない。
しかし何十年間も連絡が途絶えていた旧友の消息を調べ、連絡をとることは容易ではない。まして同窓会を開催しようとして旧クラスメイト全員の現住所を調べるとなれば、その負担は相当なものだ。ネット上には同窓生のためのコミュニティサイトも登場しているが、そこだけで意中の人と再会できる可能性はかなり低-い。一方、欧米では旧友の探索や再会を支援する「リユニオン(reunion=再会の意味)」と呼ばれるカテゴリーのサービスが充実している。
リユニオンサービスに対するニーズは、同窓生との再会に限らず、離婚後に生き別れた子供との再会を支援してほしい、というような現代の複雑な家庭問題を反映した分野にも及んで一大市場を形成している。またそれを補完するように、ロケーションサービス(Location Service)という、興信所とは別な形で、人探しを専門とするサービスも成り立っている。今回はその具体的な動向と仕組みについて迫ってみたい。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
●同級生から別れた恋人までを探す〜米国のリユニオンサービス
●連絡先の変更を自動更新するリユニオンサービス
●親族縁者との再会を支援するサービス
●再会の場を企画するリユニオンイベントサービス
●再会ビジネスを支える人探しサービスの実態
●特別な人との再会を支援するサービス
●社内の人間関係形成に着目したソーシャルソフトウエア市場
●会員組織を持つ各種団体をターゲットにした事務局代行サービス
●複雑な人間関係によって見直される家系図と新たな人脈ビジネス
●会場予約機能と連携したパーティポータルサイトの可能性
JNEWS LETTER 2006.3.5
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