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各業界に広がる保証ビジネスの仕組みと
魅力的な収益構造
written in 2005/7/10
事例:Royal Protection Plan 他

Royal Protection Plan  パソコン・家電業界では「保証を売る」という形態が普及している。製品を購入する際に、従来のメーカ保証(1年間)に加えて、購入価格の3%〜5%の保証料を購入者側が負担することで3年〜5年の延長保証が得られるというシステムを利用したことがある人は少なからずいるはずだ。わずかなオプション料で無償修理期間が延長できるのなら、払っておこうと考える顧客は意外と多く、じつはこの保証料収入が業界内では非常に魅力的な収入源となっている。

現在の家電業界は薄利多売化が進んで、利益率は目減りする一方の状況にある。大型店舗を作り、その中で大量の在庫を揃えてディスカウント販売した後に残る利益というのは、売上高に対してわずか1〜3%程度に過ぎない。家電分野に限らず、小売業界では“商品を仕入れて売る”という従来のビジネスモデルだけでは経営が成り立たなくなってきているのだ。その状況は下記の採算構造からも把握できる。

《家電量販店の採算構造(黒字企業の場合)》

 ●売上高……………………100%
 ・商品仕入原価…………… 80%
 ・広告宣伝費……………… 3%
 ・人件費…………………… 6%
 ・店舗家賃………………… 3%
 ・店舗設備の減価償却…… 1%
 ・ポイント販促費………… 5%
 ───────────────
 ◎営業利益率……………… 2%

 ※量販店における家電製品の粗利益率(売価−仕入原価)は23%前後、パソ
  コン製品の粗利益率は15%前後という水準。そのため、家電よりパソコン
  製品の販売シェアが高い店舗ほど最終的な利益率は低くなるという特徴が
  ある。

売上高から仕入原価、人件費、店舗費用、広告費などを差し引いた営業利益率が3%前後に落ち込んでしまうのは小売業の宿命ともいえるが、有償の延長保証サービスについては、それとは異なる収益面の魅力がある。顧客が延長保証を受けるには、購入代金に対して3〜5%分の保証料を支払うことになるが、保証購入者の中で、実際に製品が故障して修理にかかる費用というのは軽微であるため、有償保証サービスの利益率というのは、従来の小売ビジネスよりも遥かに高いのだ。そのため利益の中で保証料収入が大半を占めている家電販売会社もあるほど。

「保証を売る」というビジネスは、もともと金融や不動産の分野から普及してきたもので、それを専門とした保証会社が数多く存在している。近頃では消費者が様々な分野で長期保証を有償オプションとして追加したいと考える風潮が高まっていることから、各業界において新たな保証ビジネスが成り立つ可能性が各所に潜んでいる。
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この記事の核となる項目
 ●商品の故障修理を保証する第三者サービスの仕組み
 ●家電業界との提携で拡大する延長保証ビジネス
 ●住宅業界における保証(ホームワランティ)事業の仕組み
 ●人材市場においても求められる保証サービスの内容
 ●保証人を不要にする保証サービスと金融ビジネスの接点
 ●銀行無担保ローンにおける保証サービスの仕組み
 ●人が“担保”となる保証人制度の問題点と関連ビジネスの実態
 ●“貸し倒れ”を防ぐための「担保」の種類と役割と問題点
 ●店舗の全国展開を加速させる営業保証金による錬金術の功罪


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JNEWS LETTER 2005.7.10
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