written in 2006/3/1
事例:Megagoods.com 他
個人のネットユーザーがアフィリエイト販売で小遣い稼ぎをすることは珍しくなくなった。強者になればアフィリエイトの手数料収入だけで月収50万円を超えていることから、本業として取り組む人達も出始めている。そんなアフィリエイター達の間で「次の注目ビジネス」として話題になっているのが「ドロップシップ(Drop Ship)」と言われる販売手法である。
従来のアフィリエイト機能は、個人サイトから提携先のショッピングサイトにリンクを張ることによって見込客を誘導し、購入に至った場合には売上の3〜5%程度が手数料として支払われるものだが、ドロップシップは個人サイトがあたかも「ショッピングサイト」のように振る舞うことができ、顧客から注文を受けた後に、商品の発送作業や決済手続きなどは提携先の卸業者がすべて代行してくれる。
卸業者からの商品の提供価格(仕入価格)は決まっているが、消費者への販売価格は個人サイト側で自由に決めることができるため、例えば、卸価格が1千円のダイエット商品を、健康をテーマにした個人サイトが3千円で販売すれば一注文あたり2千円の粗利を稼ぐことができる。ドロップシップ型の個人ショッピングサイトでは、eコマースのバックヤードを何も持つ必要がないため、パソコン画面上だけでも本格的なオンラインショプを運営することも可能になる。米国では個人のブログサイトなどを対象として、ドロップシップ型で商品を供給する卸業者が急増しており、次世代のeコマースビジネスとして注目されている。
《ドロップシップ型ショッピングサイトの仕組み》
この仕組みを利用すると、ショッピングサイトを開店したい個人ユーザーは、簡単な登録だけで卸業者の会員となることができ、提供される商品リストの中から自分の好きな商材を選んで自由な価格設定で販売できるようになる。その際には“売り場”が必要になるが、自分でショッピングサイトを作ることが面倒であれば、ネットオークションに出品販売する方法が推奨されている。つまりこれは、素人でも簡単に小売業の商売ができることを意味している。それが今後のeコマース市場、さらに流通業全体へどんな影響を与えるのかを考えてみたい。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
●オンラインショップに浸透するドロップ型の無在庫販売
●ドロップシップとアマチュアセラーの関係
●個人サイトまでを商売相手にしはじめる卸売業者の仕組み
●ドロップシップによるオークション販売の流れ
●会費制で稼ぐドロップシップ業者の収益構造
●ドロップシップ化が避けられないeコマース市場の流れ
●物流部門の取捨選択に戸惑うeリテイラーの生き残り策
●米国食品流通ブローカーにみる究極の問屋像
●物流機能を捨てた卸業者の将来型
●これからのeリテイラーが生き残る道
●eコマース市場成長への鍵を握る「商物分離」の流通構造とは
●物流部門の効率化とノウハウ開拓が成否の鍵を握る通販ビジネス
●目減りするeコマースの利益率と、勝ち組ネット事業の対比
●経費の負担増で伸び悩むeコマースサイトの収益構造と問題点
JNEWS LETTER 2006.3.1
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