written in 2006/2/1
事例:Expedia.com 他
旅行に行きたくなったら旅行社を訪れてツアープランに申し込む、という常識はもはや過去のになった。格安航空チケットや予約サイトの急速な普及によって、旅行者はネットから自分が行きたい目的地に合わせて安価な旅行プランを組むことができるようになったのは周知の通りである。それに伴い、全国にあるホテルや旅館の空室情報を網羅した宿泊予約サイトの成長は著しいが、それで旅行業界の革命が完了したというわけではない。欧米では既に宿泊予約サイトを越えた新たな旅行者向けオンラインサービスが登場してきている。
宿泊予約サイトのビジネスモデルは、旅行者から取り次いだ宿泊予約に対して、ホテル側から宿泊料金の数パーセントの手数料率を徴収する仕組みだ。国内では昨年、楽天グループの「旅の窓口」が一律6%だった手数料を7〜9%に値上げしたことで旅行業界からの議論を集めたことは記憶に新しい。ホテル業界の営業利益率が約5%という水準にあることを踏まえると、オンライン予約サイトに支払う手数料が、最近ではホテル経営の大きな負担になっている状況が伺える。
《ホテル経営の採算性について》
●売上高(宿泊費)…………………100%
・売上原価……………………………25〜30%
(※主に料理にかかる原価)
・オンライン予約手数料……………5〜9% ←───ホテル経営者にとって
・その他の経費………………………65〜70% この部分の負担が重い
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営業利益…………………………約5%
これまでは旅行者がネットでホテルを探して宿泊予約をしようとした場合には総合予約サイトを利用することが一般的であったが、最近ではそれ以外でも旅行関連のコンテンツが充実してきているために、ホテル業者は外部の予約サイトを利用しなくとも、旅行者をもっと低コストで集客することが可能になっている。その動きを牽引しているのが、旅行コンテンツ専門の検索機能と、個々の旅行者が体験談を掲載しているブログを中心とした個人メディアである。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
●旅行業界における新たな検索エンジンの台頭
●ホテルへの集客を促す検索エンジンの仕組み
●個人メディアの力が変える旅行ビジネスの業界地図
●観光ガイドブックの市場を凌駕する個人の情報力
●個人の情報ツールから予約窓口へ〜進化するトラベログ
●旅行業界の新たなオンライン集客経路
●ネット環境が実現させる在宅旅行代理店の起業モデル
●米国における在宅旅行代理店の仕組み
●ホームショアリングによる在宅人材の活用と第三番目の店舗
●報酬より自分流の生き方を優先したツアーコンダクターの就労体系
●米国で広がるホームエージェントを採用した企業経営のスタイル
●再構築が必要な時に差し掛かる旅行業者のビジネスモデル
JNEWS LETTER 2006.2.1
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