written in 2005/7/5
事例:Buzz Mareketing Group
消費者の口コミが商品の売上げに大きな影響を及ぼしはじめている動向は各所で指摘されているが、口コミが伝播していく特性を的確に把握している企業というのはまだ少ない。口コミ効果をビジネスへと結びつけている代表的なモデルとしてはネット上の個人サイトと提携して自社製品の紹介リンクを貼ってもらうアフィリエイトプログラムが広がっているが、これにも一長一短がある。販売手数料を目的とした商品の紹介メッセージは、本当の口コミ評とは異なるために、それを読んだ消費者が“嘘っぽい”と感じれば、逆にプログラムを主催する企業ののプランド価値や評判を落としてしまうことにもなりかねない。アフィリエイトプログラムの質を落とさずに、高いまま維持したいのであれば、加盟サイトに支払うマージン率を“値上げしないこと”だと、米国の専門家達は指摘している。
そもそもの「口コミ情報」は無償で世の中に広がっていくのが正当な流れであり、そこに報酬が絡んでくると、本来は冷静で厳しい内容であるはずの消費者レビューに売り手寄りの“色”が付いてくることになるが、末端の消費者達はこれを嫌う。しかしながら、メーカーや小売業者にとってはユーザー側から巻き上がる口コミ評を上手に販売プロモーションに結びつけていくことが、今後の重要戦略になることは間違いない。
このように口コミを活用した販売手法が最近では「バズマーケティング」と呼ばれている。「バズ(Buzz)」という言葉は、蜂がブンブンとうなり続けている様子が語源だが、そこから派生して、世間の群衆が噂話でざわめいている状況を表す言葉として使われている。今後の販促戦略としては「バズ(Buzz)」を効果的に波及させていくためのテクニックが求められているが、大半の企業はバズとは逆行した広告メッセージを打つことで、せっかくの口コミを殺してしまっていることに気付いていない。
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●誤解しがちな口コミの伝達メカニズムと広告戦略との相反作用
●広告とは相反するバズ(Buzz)の効果について
●口コミによる期待感・満足感との関係
●インフルエンサー(影響者)を活用したバズ(Buzz)の広げ方
●ネット上で展開されるバズマーケティングの動向
●ネット内におけるインフルエンサーとしての行動例
●報酬条件によって変わる口コミ情報の信憑性と真の口コミ伝道師
●嘘をつかないバズマーケッターと報酬との関係
●インフルエンサーになることの利点とそこから発展した専門職
●ブログの普及が向上させるアフィリエイト販売機能とその影響力
●意図的な口コミマーケティングと相互リンク文化の弊害
●口コミの原動力となるオピニオンリーダーを意識した販促戦略
JNEWS LETTER 2005.7.5
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●消費者の購買力をバックに力を増す共同購入グループの復権
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