written in 2004/11/2
事例:GrayWolf Sensing 他
インターネット環境の普及は企業間の取引においても“新たな出会い”を実現させてビジネスの商圏や規模を拡大させる可能性を秘めているが、それと同時に取引の関係を厳しいものへと向かわせる一面も持っている。
これまでの製造業の現場では、親メーカーと下請工場とが継続的な取引で親密な関係を築いていくことにより技術やノウハウを双方が共有する形で成長してきた。しかし親メーカーでは遠隔地から新たな外注先を容易に募れるようになると、「下請業者を育てる」という意識は薄れて、すでに優れた技術や設備能力を持つ業者にのみ仕事を発注するというドライな関係へと変化している。
この流れは、弱い下請業者が淘汰されていく状況を生み出していく一方で、規模は小さいながらも技術力のある製造業者であれば、従来の下請関係から離れて、厚い利益の見込める新たな取引先を探す動きへと走らせている。Webサイトを立ち上げて深い情報発信をしていけば、全国の関連業者からのオファーを受けることも可能である。
ところが製造業を中心としたB2B取引では、オンラインショップのようにネット上の販促手法を駆使すれば受注件数や売上が伸びるというわけではない。会社としての技術力や設備能力を対外的に情報公開、または証明して信頼を得るための努力や工夫が大切になる。
「親メーカーと下請工場」の関係にある時には、親メーカーからの指導によって工場の環境を整備していけばよかった。ところが“下請け”から離れて新規の取引先を獲得する際には、「まず最初に環境を整えてから」でなければ新たな仕事は獲れない。まだ出会っていない未知なる取引先すべてに合う環境を事前に整備することは不可能であるため、国や業界団体が定める基準をクリアーした「認定工場」としての資格を取得することが大切になってくる。そこには製造現場の認定制度に絡んだ利権や商機が潜んでいる。
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JNEWS LETTER 2004.11.2
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