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  DVDソフトの売上がここ数年急ピッチで伸びていることにより日本映画界は活況だ。しかし「映画」に限らずもっと身近な素材をDVD化して販売することも可能である。欧米ではビジネスや趣味に関する自分の知識や経験を映像化し、それをDVDとして販売することで起業を果たす人達が増えている。
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身近な知識やノウハウを
DVDとして商品化するビジネス
written in 2004/10/23
事例:Meir Yedid Magic 他

Meir Yedid Magic  ビデオレンタル業界では昨年末から今年にかけて大きな変化があった。レンタル商品となる媒体の比率が、従来の「ビデオカセット」を「DVD」が上回ったのである。2003年後半のレンタル用ビデオソフト(カセットテープ:DVD)の出荷比率がおよそ6:4であったのに対して、それから1年後の現在では3:7へと大きく逆転している。また販売用(セルDVD)も急速に売上を伸ばしていることから、最近の1年間で国内のDVDソフト市場は大きく拡大していることが確認できる。

ところがDVDソフト業界の内情は、市場が急拡大している割には大儲けできているわけではない。DVDメディアの台頭によってクオリティの高い映像コンテンツが求められるようになったことで、作品の制作費やライセンス料も高騰しているため、当れば大きく稼げるが、当らなければ大きく損をするというハイリスクハイリターンの色合いが濃くなりはじめているのだ。これは、かつてのテレビゲーム業界において、ゲーム機の性能が向上することと反比例するように、ゲーム制作会社の経営はひっ迫して淘汰されていった状況と似ている。

一方、手堅く稼げているのがニッチな分野に的を絞ったDVDソフトメーカーである。どんな分野にもコアなファンというのは存在するものだが、そこを狙った映像コンテンツをDVD化して販売することが魅力的な収益を生み出す。コンテンツ販売の特性としておもしろいのは、提供する媒体の種類によって価格の相場観が安定していることで、携帯コンテンツとしての販売ならば月額 300円程度が相場、DVDメディアならば 3,000〜5,000円が適正な相場観として定着している点だ。

例えば 100億円の製作費が投じられたハリウッド映画のDVDソフトが3千円であるのに対し、カルチャースクールの講師が自作自演で制作した教則DVDが5千円だとしても、その趣味に関心の高いユーザーならば価格設定に納得してくれる。もちろん映像の品質については映画作品に到底及ばなくても、映像として収録されている教則の内容が優れていれば“5千円の商品”として成立するのだ。これは特別な技術やノウハウ、指導力などの「知的財産」を持つ人にとっては大きな商機として注目しておくべきだろう。DVDソフトの新たな売れ筋ジャンルは意外なところに潜んでいる。
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この記事の核となる項目
 ●新たな収益源として期待される無名アーティストのDVD作品
 ●プロの職人が制作する教則DVDの可能性
 ●アマチュア映像作家がプロへと飛躍できるDVD市場
 ●発想次第で柔軟に開拓できるDVDビジネスの視点と成功事例
 ●DVDメディアの普及で変わる映画業界の収益構造と資金調達
 ●DVD普及が実現させるビデオグラファーという職業への着目
 ●眠ったビデオ資産を収益化するビデオ・オン・デマンドの急所


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