written in 2004/5/28
事例:Pearson VUE 他
テストといえば広い試験会場に並べられた机に向かい、答案用紙を埋めていくのが、誰もが経験したことのある光景である。テストは印刷された問題用紙と鉛筆で行われるのが常識だが、そこに「オンラインテスト」という新しいソリューション技術が米国では登場してきている。
オンラインテストでは、試験問題や答案に紙を一切使うことなく、すべてパソコンの画面上で展開されていく。当然ながら各受験者の解答も電子データとして管理されるため、手作業で採点することもない。
“パソコン画面上で問題を解く”ことに対しては、自宅で学習できるeラーニング教材をイメージするかもしれないが、自宅受験型ではカンニングを防ぐことが難しいため、実質的なテストにはならない。そこで考案されたのが「オンラインテストセンター」という施設で、受験者はこの施設を訪れて、個別に仕切られたブースの中で、パソコン端末と対面してモニター上に表示される試験問題をキーボード入力方式で解いていく形だ。
《試験の常識を変える電子テスト(オンラインテスト)》
オンラインテストセンターが従来の試験会場と異なるのは、“紙とパソコンの違い”だけでなく、受験者は自分の都合のよい時間にセンターを訪れて試験を受けることができるという点だ。センターでは試験が1種類だけでなく、複数の試験主催団体のものが用意されているため、自分がネットワーク技術の資格試験を受けている時に、隣のブースに座る人はデータベースの資格試験を受けているということもある。不幸にも自分が試験に合格できなければ、改めて翌日に再受験することもできる。
このように電子化されたテストを受験するための会場(オンラインテストセンター)は、いま世界的に拡大していて日本各地でも急速に普及していく可能性が高い。従来のFCビジネスと同様に、テストセンター本部とのライセンス契約により各地域の支部が開業できるため、たくさんのパソコン端末を設置しているパソコンスクールが副業としてスタートさせたり、大手企業が本格的に電子テスト受験専門の施設を作るなど、各地域での“陣取り合戦”が間もなく激化していきそうだ。
(海外ネットビジネス事例一覧へ)
●資格試験ビジネスの核となるオンラインテストセンターの仕組み
●テストセンターにおける電子テスト実施の流れについて
●電子テスト向けの問題作成市場とその先にある商機
●電子テスト市場と連動して成長するバーチャル模擬試験
●成長する資格取得教育ビジネスとeラーニングとの融合
●スペシャリスト人材育成の鍵を握る資格認定ビジネスの将来性
JNEWS LETTER 2004.5.28
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