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Written in 1998.10.14
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企業戦略としてインターネットビジネスを考える場合には「見込み客」という言葉に注目しておきたい。「E-Commerce」が話題の中心になりがちだが、すべての企業が物販を目的としたECサイトを立ち上げてビジネスが成立するわけではない。おそらく既存企業のWeb戦略としてEC(E-Commerce)を考えているケースは少数派のはずだ。「ネット上で売るための商品」を持っている企業はほんの一部に過ぎず、既に流通ルートを確立している企業ではECを推進することで既存流通を壊してしまうことも考えられるために、積極的にはなれないという背景がある。
そこでビジネスコンセプトとして脚光を浴びつつあるのが「見込み客獲得」を目的としたサイト運営である。通常の企業は各メディアに広告を掲載したり、営業マンを動かすことで見込み客を獲得している。これらの営業活動は常にコスト管理されていて「見込み客一人あたり獲得するのに何円かかるか」という計算を経営者側では意識している。
営業活動に熱心なのはどんな業界なのかを考えてもらいたい。自動車販売や住宅販売を誰でも思いつくはずだが、それらに共通しているのは販売単価が高い商品であること。つまり1契約毎の粗利益が大きな商品ほど営業には過大なコストを投入しているのだ。
ある住宅販売会社の話では「電話問い合わせ」や「資料請求」など第一段階の見込み客を集めるために、見込み客一人獲得あたり約2万円の広告営業コストを費やしている。その中から契約につながる本物の顧客を掘り当てるわけだが、年間広告営業コストを年間契約数でわり算すれば、1契約あたりに対する投入コストは200万円近くになるという。(営業マンの人件費を含む)
これは大きな金額の商品を販売する業界にとっては特に驚くべき事でなく日常的におこなわれている販売戦略であり、販売会社側としては当然これらの広告営業コストを販売価格に転嫁しているわけだ。
ここに大きなビジネスチャンスが隠れている。
住宅販売会社が1契約あたり200万円かかるコストを50万円に削減することができれば販売価格を100万円値下げしても利益は50万円上昇する。
「どうしたら見込み客を簡単に集めることができるのか?」その答えはインターネットの中からたくさん見つけることが可能だ。自動車ディーラーとの提携で大成功している「Auto-By-Tel(http://www.autobytel.com/)」などがコンセプトとしている「見込み客紹介ビジネス」である。インターネット上の優秀な見込み客紹介エージェントと提携することで、今まで10人必要だった営業マンを3名に減らしながら、売上を伸ばすことも夢の話ではなくなりつつあるようだ。
●金融業界と見込み客エージェントの相性
●インターネットで活躍する住宅ローン・エージェントとは・・
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https://www.jnews.com/mem/back/detail/1998/199810/19981014_3.html
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