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サラリーマンと起業の中間を行くオープンタレント人材

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JNEWS会員配信日 2023/3/10

 厚生労働省の調査によると、日本のサラリーマン男性は、定年を迎える60代までの転職回数が多くて1回という人が全体の6割を占めており、その半数は1度も転職をせずに定年を迎えている。転職をして年収がアップした人の割合はおよそ3割に過ぎず、年収が下がった、または変わらないという人が7割近くになる。

日本では転職を繰り返すほど、年収がダウンしていく確率が高くなるため、いまの職場が自分に合わないと感じても、ストレスを抱えながら働き続けている人が多いのが実情だろう。

《転職者の賃金変動割合(2021年)》

一方、米国では転職を繰り返すことでキャリアアップすることが常識的に行われている。米国労働統計局の調査によると、1957年から1964年に生まれた人が、18~54歳までに行った転職は、男性が平均12.6回、女性も平均12.3回となっている。
これら転職のおよそ半分は24歳までに行われて、35~44歳までにも平均2.9回の転職をしている。

年齢が高くなるほど、就業年数は長くなる傾向があるものの、自分に合わない仕事は短期で辞める確率が高く、30代、40代の労働者でも、1年以内に辞める割合が26%、5年以内に辞める割合が61%となっている。転職による給与の上昇率は高学歴者のほうが高く、18歳~24歳までの高卒者は年間上昇率が+2.8%であるのに対して、学士以上の大卒者は+9.2%となっている。しかし、45~54歳になると、高卒者の給与は年率0.7%のダウン、大卒者でも年率0.5%の上昇に留まる。

これは、高齢になるほど、健康や体力の衰えにより、選択できる仕事の種類や、働ける時間数に制約が生じるためと説明されている。そのため米国でも、転職による年収アップを狙うのであれば40歳前後がタイミリミットと言われている。

《転職による給与の年間上昇率》, 《健康面から制限される仕事の割合》

さらに、コロナ以降の働き方としては、雇用関係によって拘束される時間をできるだけ減らして、空いた時間を副業や投資の勉強に使うほうが生涯年収は高くなるという考え方が浸透するようになり、サラリーマンは続けながらも、必要以上には働かない「Quiet Quitting((静かな退職))」や、職場の従業員が一斉退職する「Great Resignation(大辞職)」のムーブメントと重なっている。

こうした労働市場の変化に伴い、企業は労働者との新たな関係を築くことが急務の課題となってきた。どんなに給料が高い仕事でも、連日のハードワークで体調を壊してしまうような働き方では元も子もない。かとって、脱サラをして起業することにはリスクが伴う。そこで、リスクを抑えながら、ワークライブバランスも良好で、高年収が狙える働き方はないものだろうか。そうした視点から、近年人気が高まっているのが、サラリーマンと起業者の中間を行くオープンタレント人材としての働き方である。

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・ギグワーカーからオープンタレントへの移行
・オープンタレント採用プラットフォームの開発
・フリーランス向け健康保険の開発と問題点
・国際フリーランスの年金問題と解決策について
・リモートリタイアメントの潜在市場
・米国で「静かな退職者」が急増する労働市場の異変
・最低時給引き上げの裏側で過熱する米国の起業トレンド
・低賃金サービス業から「消えた労働者」の行方と価値観
・ハイブリッドワーカーが変える賃金体系と実質年収の価値観

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