ワークスタイルの違いで生じる所得格差の構造
日本全体の2~3%にあたる富裕層世帯(金融資産1億円以上)は、株式や不動産などで資産運用することで、さらに資金を増やしている。労働者から富裕層に移行するまでには幾つものハードルがあるが、「働き方を変える」意識を持つことは、収入を伸ばす上でのポイントになっている。
慶應義塾大学とNIRA総合研究開発機構が行った「テレワークに関する就業者実態調査」によると、コロナ禍でワークスタイルテレワークに移行できた人の中では、高年収者の割合が高いことが明らかになっており、年収900万円以上の層(東京圏)ではテレワーク率が約50%であるのに対して、年収300万円未満の層では20%未満となっている。
テレワークの可否は職種によっても異なるが、リモートで働ける領域では、年齢が若くても高年収を稼げるチャンスが多数見つけられるのは事実だ。これは、高いICTスキルが必要とされる仕事ほど、テレワーク率が高いことともリンクしている。統計的に低所得の割合が多い20~30代が、中高年者よりも高収入を得るにはデジタルスキルを磨いて働き方を変えることが、最も効率的な方法になる。
またテレワークは、通勤の時間とコストを省くことができ、住居費が安い地方でも仕事ができるため、実質的な豊かさを引き上げる効果がある。国土交通省では、都道府県別にみた中間層世帯の手取り月収(可処分所得)から、食費や住居費などの基礎支出を差し引いた差額を「実質的な経済的な豊かさ」としたランキングを作成している。それによると、国内で実質的な豊かさが最も高いのは、1位が三重県、2位が富山県となっており、東京都は47都道府県の中で42位という結果である。
東京よりも、三重県や富山県の可処分所得が高いのは、女性が結婚後も働ける環境が充実しており、仕事と子育ての両立がしやすいことが理由で、生活費も低く抑えられるために、世帯あたりの実質収入(豊かさ)が高くなっている。インフレが進行する中では、世帯収入は現状を維持したまま、生活費を抑えていくことが防衛策となるが、「地方でのテレワーク」という働き方は、最も理想的なスタイルになる。
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