コロナ後もリモートワークの継続を希望する人の割合は、在宅勤務者の9割以上を占めており、週に何日ずつの通勤と在宅勤務を併用したハイブリッドワークが理想と考えている。これが実現できるのであれば、年収が下がっても受け入れるという考えを持つ人も増えている。(JNEWSについてトップページ
ポストコロナ時代に定着するハイブリッドワークの働き方

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JNEWS会員配信日 2022/1/6

 コロナ禍では多くの企業がリモートワークを導入したが、2022年は徐々に通常勤務へと戻す出口戦略が模索されている。しかし、働く側はリモートワークを経験したことで様々な利点を知り、コロナ収束後も継続して欲しいという要望が大きい。

米国のリモートワーク専門求人サイト「FlexJobs」が2021年に行った調査によると、パンデミック後も週5日のリモートワークを希望する者は、回答者の58%、リモートと通勤を両立させたハイブリッドワークの希望者が39%となり、パンデミック前の通常勤務(週5日通勤)を希望するのは、全体のわずか3%という結果になっている。さらに、会社がリモートワークを認めない場合は、転職を検討、実行しようとする者は4割を超している。

《パンデミック後のリモートワーク希望割合》

Many Workers Have Quit or Plan to After Employers Revoke Remote Work

これら希望者の中では、雇用主がリモートワークを継続することと引き換えに、給与や休暇が減ることを容認しても良いと考えている。それは、リモートワークによって、時間と生活費の無駄を省くことができ、トータルでみればプラスの効果が大きいという判断によるものだ。子育てをしながら働く場合には、リモートワークでは、年間1万ドル以上の生活費を削減できると回答した世帯が、全体の2割を超している。

《リモートワークで節約できる生活費》

《リモートワークで節約できる利点(上位回答)》

FlexJobs Survey: Working Parents Want Remote Work

世論調査会社のGallup社(ギャラップ)が行った調査でも、米国内でワクチン接種率が50%を超した2021年5月以降も、フルタイム労働者の45%は週に数日のリモートワークを継続しており、ホワイトカラー職では65%にもなる。雇用主がリモートワークを認めない場合には、10人に3人が別の仕事を探す可能性が高いと回答している。

Remote Work Persisting and Trending Permanent

このように、2022年の労働市場では、リモートワークの終了が人材流失に繋がる恐れがある。米国では、社員に対してオフィスへの復帰を強要することが、新たな労働争議の火種となっており、これまでのように週5日のフルタイム通勤をする勤務体系には、完全には戻らないだろうと予測されている。

労働者が理想としているのは、通勤と在宅勤務の日を柔軟に振り分けられるハイブリッドワークの形態であることが、上記の調査からも明らかになっており、従来のオフィス文化を見直す必要に迫られている。しかし、今後もオフィスの存在が無くなるわけでは無く、役割や機能をリニューアルすることで物件価値を高める動きが出てきている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・再定義されるオフィスの役割
・コロナ以降のオフィス家賃動向
・再開発されるシェアオフィス事業
・第三の場所を求める未来の働き方
・温暖化対策からみたハイブリッドワーク
・リモートワークによる求人市場の変化
・準郊外へ移動するホワイトカラー族の動向
・生産緑地問題とリモートワークタウン開発
・インフレ対策として米国住宅相場が高騰するカラクリ
・メタバースが変える近未来のリモートワークスタイル
・正社員と非正規社員の間で変わる給与の分配システム
・リモート経済圏で形成される高度人材の新たな労働市場

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