コロナ禍では「ステイケーション」と呼ばれる、近隣の公園や観光地で休暇を過ごすスタイルが人気。しかし近場での休暇 はオンオフの切り替えが難しく、長期の休暇に心苦しさを感じるスイッチオフ恐怖症を抱く人も増えている(JNEWSについてトップページ
コロナ感染で変わる休暇のスタイルとスイッチオフ恐怖症

JNEWS
JNEWS会員配信日 2020/6/29

 欧米では、2007~2010年にかけての世界的な金融危機で英ポンドや米ドル通貨が暴落したことから、ビジネスパーソンの中でも、割高になった海外旅行は控えて、近場の公園や観光地を楽しむ休暇スタイルが人気化した。

これは「Staycation(ステイケーション)」と呼ばれており、日帰り圏内で行き来ができるローカルな観光地が見直されることとなった。これはコロナ禍の現在にも共通しており、外出禁止令が徐々に緩和される中で、地域の公園、山、湖、ビーチなどには、休日を楽しむ人で混雑しはじめている。

《ステイケーションのレジャー例》
・近隣の動物園、博物館、美術館などを見学
・日帰り圏のハイキング
・日帰り圏のドライブ
・海や湖での釣り
・郊外の自転車道をサイクリング
・地元のプールでスイミングや日光浴
・1泊2日程度のキャンプ、車中泊

ステイケーションは、休日のレジャー費用を安価で済ませられるメリットがある一方で、デメリットもある。それは、長期休暇を取得する必要性が薄れるため、有給休暇の取得日数が減ったり、休暇中でも近場にいるため、急用の仕事で呼び出されたりするケースも増えて、心身のリフレッシュがしにくくなる点である。

米国は、もともと年間に与えられる有給休暇の権利日数が少ないが、旅行予約サイトの「Expedia.com」が2018年に行った調査によると、米国労働者の63%は6ヶ月以上にわたり休暇なしで働いており、さらに28%の労働者は休暇を1年以上取得せずに働き続けている。日本は、米国よりも有給休暇の権利日数は多いものの、実質的な取得日数は米国と同程度である。

《各国の有給休暇取得状況(平均値)》

日米のビジネスパーソンが長期休暇を取得できないのは、上司や同僚が働いている時に、自分だけ完全オフの休日を過ごすことが、逆に不安や罪悪感を抱いてしまうためで、これは「スイッチオフ恐怖症」と呼ばれている。それなら無理に完全な長期オフを取るのではなく、リゾート地で仕事と休暇を両立させながら、心身をリフレッシュさせるのが「ワーケーション(Workation)」の考え方である。

環境省では、日本の国立公園内にあるキャンプ場や宿泊施設に、Wi-Fi等の通信環境やワーキングスペースを整備する計画を立てている。国が推進役となることで、リゾート地でリモートワークするスタイルは身近なものになり、ワーケーション施設の開発が、新たなビジネスチャンスとして浮上してきている。

国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進(環境省)

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