企業が実施する在宅勤務はリモートワークの就労管理が難しい。単に 「時間給×就労時間」で賃金を算定していくと、能率の悪い社員ほど、給料は高くなるという矛盾が生じてしまう (JNEWSについてトップページ
在宅勤務の時間管理とリモートワークツールの収益構造

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JNEWS会員配信日 2020/2/10

 リモートワークには、フリーランスとして仕事を受注する請負型と、時間給や月収ベースで働く雇用型があるが、大企業が実施する在宅勤務制度では、後者の雇用型が主体になる。

雇用型リモートワークでは、タイムカードのように就労時間を管理した上で賃金を算定していく必要があるが、オフィスのように上司が部下の働き方を目視で把握できるわけではない。単に「時間給×就労時間」で賃金を算定していくと、能率が悪い社員(作業時間が長い)ほど、給料は高くなるという矛盾が生じてしまう。

そこで、時間管理とパフォーマンス測定ができるクラウドツールが各種開発されている。「Toggl(トグル)」は、プロジェクトや作業別にかかる時間を測定して、チームメンバーと共有できるアプリで、世界で160万人以上のユーザーから利用されている。

Togglは、PCとスマートフォンの両方から利用することが可能で、スタートボタンを押すだけで、ストップウオッチのように時間測定が開始される。1日の労働時間を単に測定するだけでなく、取り組む仕事の内容を「タスク」と設定しておけば、タスク単位の仕事時間を自動集計して、1日の終業時にはマネージャーにメール送信することができる。

人事管理をするマネージャーは、各社員の労働時間をレポートとして確認できるため、在宅勤務者に対しても労働法に基づいた就労時間の記録を残すことができる。また、時間効率の悪い作業項目を発見して、作業方法の改善を検討することにも役立つ。

Togglの時間管理機能では、タクス毎の時間単価も設定できるため、会社の人件費予算を決めた上で、その範囲内で適切な人員の配置や作業の割り振りを行うことが可能である。時間管理アプリの本質は、単に作業時間の計測をするだけでなく、時間単価×作業時間による、各タスクの収益性を分析しながら採算性を向上させていくことにある。

ただし、実際の在宅勤務中には、個人的な情報収集をしたり、同僚とのチャットをしたりと、無駄な時間も生じてくる。そのため、Togglで測定される時間内で「Billable time(請求可能時間)」と「non-billable time(非請求時間)」の区別を、ワーカー側が行えるようになっている。これは、ストレスが少ない在宅勤務制度を実現させる上でも重要な機能になっている。

在宅勤務では、私用と仕事に集中できる時間が混在するため、杓子定規に業務時間を「午前9時~午後5時まで」とするよりも、本人の裁量によって時間配分を変えられるようにしたほうが上手くいく。一方で、業務全体の中で非請求時間の割合が高い場合には、能率が上がらない仕事を長時間続けていることになり、本人と会社の双方にとってメリットは無いため、具体的な解決策を講じる必要がある。

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