インサイドセールス・エージェント(非対面営業)の働き方
在宅コールセンターの仕事は、柔軟な勤務体系で働けるのが利点だが、顧客からの問い合わせに対応する業務は、年収相場は決して高いわけではなく、200~300万円が平均値となっている。それ以上の高額年収を狙うための在宅ワークとしては、インサイドセールス・エージェントとしての働き方が、米国では広がっている。
インサイドセールス(非対面営業)は、顧客宅を直接訪問するのではなく、メール・電話・ビデオチャットなどのツールを活用して遠隔商談を行うため、住んでいる地域は関係無く、在宅勤務で行える仕事として適している。米国では、病院向け医療機器、保険商品、法人向けITシステム(SaaS)などの販売を手掛ける会社が、営業やマーケティング業務の経験がある人材を、在宅ワーカーとしてインサイドセールスチームの一員として採用し始めている。
企業向けにマーケティング支援ツールを販売する「Clearlink」は、自らの販売戦略として在宅ワーカーによるセールスチームを組成している。募集要件には、本社に近い、ユタ州またはアリゾナ州に住み、高速インターネット回線とホームオフィスのスペースが用意できること、高卒以上の学歴で、6ヶ月以上のセールス経験があり、電話でのプレゼンテーションやコミュニケーション能力に長けていること、などが挙げられている。最終的な採用の可否は、オンライン面接によって判定される。
勤務条件は、平日または土日で週20時間以上の在宅勤務ができることとなっており、1時間あたり10ドルの最低時給が保証され、営業成果による報酬分が上乗せされる。平均的なセールスエージェントは時間あたり15~18ドル、トップクラスになれば18~22ドルを稼いでいる。
インサイドセールスの仕事は、一方的な電話セールスとは異なり、Webサイトからの問い合わせや資料請求、SNS上の人脈、展示会での名刺交換などで信頼関係を築いた見込客に対して、電話でのコンタクトを取っていく。これは「リモートセールス」とも呼ばれ、従来のセールスマンとは異なるスキルや技術が求められるものだ。
米国では、中小企業向けにSaaS・クラウド型の各種システムを販売する企業が、在宅ワーカーによるリモートセールスのチームを組成して売上実績を伸ばしているケースが多い。月額サブスクリプション型で提供するクラウド型のITシステムは、ホームページ上で無料トライアルとして2週間~1ヶ月程度の試用申込みができるようにしているが、その期間を経過した後、正式契約に持ち込むのがリモートセールスの役割である。
リモートセールスの採用形態は、在宅ワーカーを契約社員として採用し、基本給は保証しつつ、契約実績に応じてボーナスを支給する方式と、個人事業主としての請負契約による完全歩合制で、契約高に連動したインセンティブのみを支給する方式とがある。後者の場合には、クライアントとの契約を1度獲得すると、契約が解消されるまでは月額料金に対して10~20%の報酬が毎月支給されるようにして、セールス担当者のモチベーションを高めている。
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