在宅エージェントを組織化した旅行会社のビジネスモデル
JNEWS会員配信日 2017/2/1
一口に「旅行」といっても、一般的な家族旅行から、新婚旅行、定年退職の記念旅行、同窓会旅行、ビジネス出張など多岐にわたる。そのすべてが、“安さ”を追求したセルフサービスを求めているわけではないため、顧客の要望を聞いて、最適な旅行プランの提示~手配までに対応した、旅行エージェントへのニーズはある。
たとえば、クレジットカードのプレミアム会員向けには、旅行手配のコンシェルジュサービスが必ず付帯しているが、これも旅行会社との提携によって提供されているものだ。
1994年に米フロリダ州で創業した「Cruise Planners(クルーズプランナー)」は、アメリカン・エキスプレス(アメックス)の認定旅行代理店として急成長している会社で、カード会員の特典として利用できる富裕層向けの旅行を専門に扱っている。
アメックスのプラチナ、ブラックカード(センチュリオン)を持つ上級会員は、コンシェルジュ窓口から豪華客船のクルーズ旅行を予約すると、旅行中の船内で使える専用クレジットを1回につき100~300ドル貰えることや、船室のアップグレート、シャンパンのプレゼントなど特別なアメニティが提供される。
クルーズプランナー社では、クルーズ旅行の相談や、予約の取り次ぎに個別で対応する。同社は社員数が約50名の会社だが、接客対応をする代理店として、米国内で約1000ヶ所のネットワークを築いている。その大半は、在宅で起業している個人のエージェントである。
同社のエージェントは、フランチャイズ方式で募集されており、6日間の実地研修+オンラインのビデオセミナーと電子教材で、旅行手配の実務や観光地の知識などを学ぶことで、公認エージェントとしての開業が認められる。
エージェントは、クルーズプランナーのサイト上に登録されて、アメックス会員がポイント特典で参加できる旅行の取り次ぎをする。また、独立した旅行代理店として自社サイトを立ち上げられるフォーマットも用意されているため、アメックス以外の顧客に対しても、各種の旅行ツアーを販売することができる。
実際には、アメックス会員からの問い合わせを待つだけでは、安定した売上は見込めないため、他ルートからも顧客を獲得できるマーケティング活動をすることが推奨されている。ただし、具体的な方法は、メールや SNSを活用したオンラインマーケティングが中心となるため、リアルな店舗を構える必要はなく、在宅での起業が標準モデルとなっている。
※クルーズプランナーの加盟代理店例(kraftygetaways.com)
このフランチャイズ加盟にかかる費用は 10,495ドル(約120万円)で、その中には、実地研修の受講料、渡航手当(500ドルまで)、研修6日間の宿泊代、オンラインセミナー、Webベースの業務管理アプリとモバイルツール、顧客に損害を与えた時に備えた保険料などが含まれている。開業後には、売上から1~3%のロイヤリティを支払う取り決めになっている。
(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2017.2.1
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
■この記事に関連したバックナンバー
・休日無制限制を導入するリモート企業のワークスタイル改革
・団体爆買いツアーの次に訪れる個人旅行向けインバウンド市場
・高齢者の“閉じこもり”を解消する旅行付き添いサービス新市場
・特別な人生体験を与えるギャップイヤーツアーのコーディネート業
・VIP顧客の専用窓口、コンシェルジュデスクの代行ビジネス
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2017年2月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。