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女性パート人材を登用するコミュニティ社員の給与体系

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JNEWS会員配信日 2021/3/6

 日本でも同一労働同一賃金が法制化されることに伴い、非正規社員の給与体系を作り直すことが課題であり、女性パート社員の比率が高い会社では大胆な給与改変が必要になる。

その先行例として、国内の大手スーパーチェーン各社は10年以上前から、パート社員の待遇改善に取り組んでいる。イオングループ系列のスーパーマーケットでは、従業員の8割が非正規の雇用形態になっているが、パート勤務は「コミュニティ社員」という位置付けで、人事評価や給与算定の仕組みが構築されている。

コミュニティ社員は7~8段階の資格等級に分かれており、さらに正社員に昇格できる道も用意されている。給与体系も時間給の内容が、資格給・能力給・部門給、職位給によって構成されており、社内の教育訓練と昇格試験を受けることで、資格と給与が上がる仕組みになっている。※詳細の体系は、イオングループ内の各会社によって異なっている。

《イオン系列コミュニティ社員の資格等級例》

コミュニティ社員は、正社員よりも勤務時間を柔軟に決められる時給制が基本だが、売り場での責任が高くなるJ1レベル以上では、年間の就労時間と固定給(月給額)が決められて、家事や育児の都合などで欠勤した時間数分が減額される「日給月給制」が採用されている。

社内の昇格試験を受けて、資格等級をどこまで上げていくのは、本人の意志に任されており、地域によっても異なるが、イオン系スーパーで働くコミュニティ社員の9割は時給制のC1~3レベルのままを選択している。一方で、仕事への意欲が高い社員は、等級をステップアップして、店長を目指すこともできる。コミュニティ社員の収入は、年収ベースで正社員の85%程度に留まるが、転居を伴う転勤が無いことが最大のメリットになっている。

なお、コミュニティ社員には年2回のボーナス(賞与)も支払われるが、半年間で勤務した時間数、職務等級と仕事の評価内容によって金額が算定されている。

《コミュニティ社員の時給構成例》

 同一労働同一賃金制が導入されると、非正規社員の賃金は、仕事の内容と評価、勤務時間数によって算定していく必要があるため、かなり複雑になる。イオングループのように大規模な給与体系の改変ができる大企業ばかりではないため、非正規社員の人事管理を代行するビジネスも登場している。

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