介護業界のキャリア形成と介護人材紹介の採算構造
介護業界で働く人材は、介護保険制度がスタートした平成12年(2000年)には55万人だったのが、平成27年(2015年)には3.3倍の183万人にまで増加、さらに2025年には253万人にまで増やすことが、今後の介護政策として必要になっている。
その中の5割は、老人ホームを主体とした入所系サービスのスタッフが求められている。
特別養護老人ホームの人員基準は介護保険法で定められており、入居者3名に対して介護職員または看護職員を1名配置しなくてはいけないことになっている。
つまり、入居定員が60名の施設では、20名のスタッフが最低限の配置基準になるが、介護の仕事はマンパワーが必要なため、実際の現場ではそれ以上の人員が必要と言われている。
介護職には年間で約28万人の就職者がいる一方で、離職者数も21万人と多いことから、スキルの高い職員が育ちにくい。その理由は、体力負担が重く、遅出や夜勤のシフトワーク制で時間が不規則なことに加えて、上位の資格取得を目指さなければ昇給や昇格が望めないことがある。
しかし見方を変えれば、介護人材は資格の種別によって実務の経験値やスキルを判定しやすいため、他の業界と比べて人材の流動性は高い。そのため、介護専門の人材派遣や紹介業者は多数登場してきている。介護施設が人材会社を利用するメリットは、ゼロからの採用活動を行う手間やコストを省いて、条件に合う人材を採用できることにある。スタッフに欠員が生じると、介護報酬の減額に繋がるため、その穴は迅速に埋める必要がある。そのため、介護業界の人材サービスは、これからの需要が高まっていくことが予測されている。
介護人材の派遣料金は、各業者が資格別に設定しており、派遣者に支払われる給与との差額を示すマージン率は25~35%が平均値となっている。ただし、その中からは、社会保険料や有給休暇の引き当て、教育訓練などの経費が捻出されているため、すべてが人材会社の儲けになっているわけではない。
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