ショッピング・キュレーターの役割と報酬
JNEWS会員配信日 2017/1/17
これからの小売業界で売上に影響を与えるのは、宣伝広告よりも、一部のカリスマ的ユーザーの購買行動で、一般の消費者はそれを真似するようになる。彼らが実際に商品を使ってみて、本当に良いものだけをブログや SNSに紹介することで、商品の人気に火が付くことは各所で起こっている。このようなオピニオンリーダーは「ショッピング・キュレーター」と呼ぶにふさわしい。
海外では、セレブ女優や有名デザイナーが有償のキュレーターとなり、彼らが推奨する商品を販売するファッションサイトが4、5年前から登場しはじめたが、今では、報酬が発生する推奨コメントに消費者は反応しにくくなっている。最近の流行トレンドは、無報酬の口コミから発生している。
一般ユーザーがキュレーターとなるケースでも、下手なアフィリエイト報酬は狙わずに、自身が本当に“良い”と思う商品を紹介したほうが、シェアやリツイートされる回数は多くなる。人間は、金銭報酬よりも、他人から褒められたり、支持される(フォロアー数が増える)ことに対して高いモチベーションを感じるため、無報酬でも熱心なキュレーション活動ができる。このような快感の仕組みは“社会的報酬”として心理学でも研究されている。
インスタグラムの中では多くのユーザーが自分でコーディネートした服の写真を公開している。その中には、写真で着ている服やアクセサリーのブランド名や購入先がわかるハッシュドタグを付ける、という暗黙のルールがある。たとえば「#uniqloginza」というタグをクリックするだけで、ユニクロで購入した服によるコーディネート例が9万点以上表示される。
「@uniqloginza」は、ユニクロ銀座店のインスタ公式アカウントで、開始当初は商品紹介の写真を投稿するのが主体だったが、一般ユーザーに自分のコーディネート写真を、「#uniqloginza」のタグを付けて投稿することを呼びかけたところ、フォロワー数が急増しはじめた。現在は、ユニクロが販売する商品のカテゴリー毎にハッシュドタグがあり、それを辿ることで、該当の服を購入した人達の膨大なコーディネート例を調べることができる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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