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高級ブランドへ投資する新富裕層と女性成功者のステイタス

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JNEWS会員配信日 2016/3/3

 英国の不動産大手のナイトフランク社が、世界の富裕層を調査したレポートによると、高級品の購入意欲が高い国のランキングは、トップの英国を除いては、中国、インド、中東諸国などが大半を占めている。

彼らは、高級ブランド品を買い漁っている、浪費家のイメージがあるが、自国の通貨危機に備えた資産の逃避先を物色している実情もある。言い換えると、自国の金融情勢が不安定な国の富裕層ほど、高級品を資産として買い求めている傾向が強い。

《高級品の購買意欲が高い国のランキング》

米国や日本が、上記のランキングに入っていないのは、自国の金融資産に対する信頼度が高いことが関係している。しかし、マイナス金利によって「預金が目減りするかもしれない」という不安が広がれば、高級品の販売にはプラスの効果が期待できる。富裕層にとっては、相続税対策としても、利息が付かない預金の一部をモノに換えておこうとする心理が働くためである。

富裕層向けの資産管理を行うクレディ・スイスの調査によると、日本では、純資産額が 5,000万ドル(約60億円)を上回る超富裕層の数こそ少ないが、100万ドル(約1.2億円)以上の金融資産を持つ富裕層の数は、米国、英国に次いで世界第3位(245万人)だ。さらに、2020年までには350万人に増えることが予測されている。

《純資産100万ドル以上の富裕層ランキング》

一般世帯の生活が厳しい中でも、日本の富裕層が増えていく要因は、遺産相続や事業継承によって、親の資産を受け継ぐ人がこれから増えていくことと、IT起業家や、高額報酬を得られる知的スペシャリスト、個人投資家として成功する人達が増えていることなどが挙げられる。

これら新タイプの富裕層は、新たな投資分野の開拓に積極的であり、預金以外の資産運用や、希少価値の高いブランド品の購入、自分や子供への“教育”も投資として考えるようになってきている。中国人のように、高級品を爆買いすることは無いにしても、将来の値上がりが期待できる限定品などへの購買意欲は高い。

【女性富裕層向けマーケットの開拓】

 これからは、女性の富裕層が増えていくことも特筆すべき点である。女性の社会進出により、ビジネスで成功する女性が増えていることや、女性は男性よりも平均寿命が長く、夫の資産を相続する確率が高いことが要因だ。

電通とハースト婦人画報社が、日本の富裕層女性(約300名)に行った、意識・消費行動調査によると、彼女達は、一般女性よりも資産運用に関心が高く、健康を維持するためのスポーツや、教育、美容に対しても積極的である。

富裕層女性を対象とした意識・消費行動調査(2015年)

高級ブランドメーカーは、こうした女性富裕層を顧客としたビジネスモデルを構築している。特に、エルメスのバッグは、最高級の革素材を熟練した職人が手作りで仕上げていくため生産量が限定されており、新作が出ても店頭にはほとんど並ばず、固定客へ優先的に入荷情報が提供されている。

その中でも、世界のセレブ女性に愛用されている「バーキン」は、定価が 約120万円~ 400万円超のものまであるが、正規店から新品を購入することは非常に難しくなっている。中古市場の人気も高く、定価以上のプレミア価値で取引されている。

バーキンは、ビジネスバッグとしても機能的に優れているため、これから、女性の成功者が増えるほど価値も上昇するとみられており、バーキンをコレクションしていくことは、成功した女性のステイタスであることと同時に、資産形成と同じ役割を果たしている。ただし、売却したい時の換金ルートが限られていることが、現状の問題点である。

質屋に売却する場合には、相場よりもかなり低い買取価格になってしまうため、ネットオークションに出品したほうが良いが、非対面の個人間取引になるため、商品の信用(確かに本物であること)を示すことが難しい。

【ブランド品の価値を高める鑑定サービス】

そこで海外では、高級ブランド品の真贋を鑑定する第三者サービスが登場してきている。「Authenticate My Bag」は、ルイヴィトン、シャネル、エルメスなどのバッグを専門に鑑定している業者だが、eBayに出品される商品を対象にしてオンラインで真贋判定をしているのが特徴だ。

自分が所有するバッグを売却したい人は、同社の鑑定を受けて「本物」であることの認証を取得してから、eBayに出品することで商品の信用力を高めることができる。

オンライン鑑定の方法は、バッグの前面、後部、側面、底、製造番号の刻印、箱や付属品など、指定された部位の写真を撮影して、電子メールで送付すると、48時間以内に結果が判定される。

鑑定料金は、ブランドによっても異なるが、エルメスが最も高くて、オンライン鑑定のみのコースが30ドル、正式な書面で鑑定書を発行するコースが75ドルとなっている。この金額は、1万ドル以上の価値があるバーキンを売る人にとっては1%未満のコストであり、それで落札価格を高めることができるなら安いという考え方がされている。

Authenticate My Bag

このようなオンライン鑑定サービスは、その他にも登場してきているが、大半は個人や少数の鑑定士グループによるスモールビジネスとして行われている。グループは、必ずしも同じオフィスに勤めているわけでなく、高い鑑定技術を持つ者がオンラインで集まり、各自が得意とするブランドの鑑定を分担するような方式もある。

《鑑定書付きオークション販売の流れ》

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JNEWS会員レポートの主な項目
・世界の富裕層はなぜフェラーリを買うのか?
・ブランド爆買いの裏にある代替投資先の物色
・女性富裕層向け新マーケットの開拓
・ブランド品の価値を高めるオンライン鑑定サービス
・鑑定書付きオークション販売の流れ
・出口戦略が難しい副業大家のビジネスモデル
・太陽光発電所のセカンダリーマーケット
・中古太陽光発電所の収益シミュレーション
・不動産バブル再燃の主役となるサラリーマン大家
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