JNEWS会員配信日 2014/2/10
DIYキットメーカーの特徴は、市販の部品や原材料を組み合わせることで、オリジナルの商品にできることであり、ユーザーが独力でDIYをするのが難しい分野ほど、キット商品をヒットさせやすい。そして、キットの組み立て方や、作成方法を丁寧に解説することが“コンテンツ”となり、オンライン上の集客に結びつく。
「ADAfruit」は、オンライン上の電子キットメーカーで、3Dプリンター、ハイテクセンサー、無線モジュール、LEDライトなどのパーツを利用した、電子工作用のキットを各種販売している。それらのキットは、同社がすべて製作や組み立ての検証を行っており、マニュアルとなる映像が、YouTubeにアップされていることに加えて、製作過程でわからないことを質問できるフォーラムやチャット機能も用意されている。
電子工作というと、オタクな趣味という印象があるが、米国では、理系の女子も増えている。「Etsy」などの手芸サイトでDIYに目覚めた女性が、さらに付加価値の高い作品にチャレンジしたいと考え、電子回路を組み込んだ衣類などを作っているのだ。以下のページでは、3Dプリンターで作成したコート用のボタン、導電性繊維、LEDを利用した手芸の方法が解説されており、必要な部品を購入できるようになっている。
ADAfruit自体も、2005年に女性エンジニアが創業した会社で、現在は50名の社員を抱えるまでに成長している。追い風になっているのが、社会的にも、ハイテクや理系教育への支持率が高まっていることだ。公立の小中学校やアフタースクール(放課後教室)の中でも、電子キットの製作を、授業に取り入れるケースは増えている。そのため、学校やPTAがキットを団体購入する需要も取り込める。
「NEDay Crafts」も、女性が起業した教育用電子キットの会社で、子ども向けの電子工作教室やクラフトパーティなどを各地で開催しているが、依頼者となっているのは、地域の学校や自治体、子ども向けのイベントを開催したい商業施設やショッピングセンターなどである。
●超ニッチ市場で成功するヘリコプターのキットメーカー
●IKEAが仕掛けるマイホームのセルフビルド市場
●個人開業が可能な高級料理の食材キット販売ビジネス
●自家製パン作りの材料を売ることで成功する起業者
●ハイテク電子キットを活用した教育ビジネス
●DIYインストーラーの個人開業モデル
●クリスマス・イルミネーションのデコレーター開業
●子どもの理数系才能を開花させるSTEM教育ビジネスの開拓
●必修化が求められるプログラミング教育に向けたスクール事業
JNEWS LETTER 2014.2.10
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