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  ネットで航空券やホテル予約ができるようになったことで、それらを組み合わせて旅行ツアーを企画する在宅旅行会社が、米国で成り立つようになっている。旅行業にはライセンスが必要なため、総代理店の傘下に在宅の旅行代理店が組織化されている。
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進化したネット環境が実現させる
在宅旅行代理店の起業モデル
written in 2006/2/1

 旅行業界の常識が崩れつつあることに呼応して、個人事業者として成り立つ旅行のプロフェッショナル職が生まれてきていることにも目を向けておこう。旅行好きであれば派遣のツアーコンダクターという職業の選択肢もあるが、これ以外にも新たな旅行ビジネスが開拓されている。

トラベログ上で旅行体験記を投稿するだけでは、投稿した個人にはなんら直接の収入はもたらされないが、自身の旅行経験と知識、それに各ホテルや航空会社のオンライン予約機能を駆使して起業できるのが在宅の旅行代理店業である。米国では「在宅トラベルエージェント(Home-Based Travel Agent)」と呼ばれる新たな職種が旅行業界に浸透しはじめている。

ツアーパッケージなどを売る旅行代理店業務を個人(SOHO)で行い、コミッションを得るという仕事内容だが、米国でも旅行代理店業を営むには認可など諸手続きが必要だ。そのため、ホストエージェンシーと呼ぶホスト代理店のような存在がある。エーワントラベルバケーション社のような中小規模のオンライン旅行予約会社などがその役を担っている。そうしたホスト代理店が在宅スタッフとしてのトラベルエージェントを雇い、その育成を図っている。もちろんエージェント自身は個人事業でフリーだが、所属する総代理店の名前で営業をする、複数のホストとは契約しないなど、表向きはスタッフ社員と同等の立場にある。

在宅のトラベルエージェントになるには、ホスト代理店が提供する教育プログラムを学ぶか、出版されているテキストブックを購入して自習するなどの方法があり、特別に資格や試験があるわけではなく、誰でもなることができる。コミッション料はホスト代理店によって異なるため、高収入を得るためにはホストの選定が重要とされている。一般的には10〜20%だが、エーワントラベルではゴールドエージェントが50%、最高のエージェントは 100%とする4つの加入コースを用意している点でホストエージェンシーの中でも目立つ存在だ。

《米国における在宅旅行代理店の仕組み》

  

事例として、ホストエージェンシーの一人であるトム・オッジ氏は、豪華客船によるクルーズ旅行についてのレビューを掲載するサイトを主催している。オッジ氏はクルーズ旅行のレビューサイト「Cruise Reviews.com」を運営する一方で、トラベルエージェントとしてツアーの企画や販売をすることを本業にしている。まさに旅行が趣味と実益を兼ねた形となっているわけだ。しかも彼のサイトへのレビュー投稿者を対象にして、在宅トラベルエージェントの育成事業も行っている。希望者は 500ドルの登録料を払い、トレーニングを受けることによって、オッジ氏の傘下にある在宅エージェントとしてツアー企画などを販売できるようになっている。

旅行業界の仕事をしたい人にとって、個人が独力で在宅起業することには高い壁があるが、このようなホストエージェンシーの指導、サポートを受けての開業であれば、かなり壁は低くなる。またホストエージェンシーの側でも、旅行好きな人を在宅スタッフとして育成することにより、正社員を雇うよりも安価で効率的な事業展開ができるようになるわけだ。

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この記事の核となる項目
 ●旅行予約サイトとは異なる旅行検索エンジンの仕組み
 ●観光ガイドブックの市場を凌駕する個人の情報力
 ●個人の情報ツールから予約窓口へ〜進化するトラベログ
 ●旅行業界における新たな集客経路の解説
 ●ネット環境が実現させる在宅旅行代理店の起業モデル
 ●米国における在宅旅行代理店の仕組み
 ●出版業界の商圏を脅かすブログサイトによる個人出版モデル
 ●報酬より自分流の生き方を優先したツアーコンダクターの就労体系
 ●米国で広がるホームエージェントを採用した企業経営のスタイル
 ●再構築が必要な時に差し掛かる旅行業者のビジネスモデル


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