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同棲カップルが日本を救う 少子化対策ビジネスの核心部分 |
written in 2007/10/8
テレビアニメ『サザエさん』の中で描かれてるのは、磯野波平、フネ、カツオ、ワカメ、サザエに、その夫のフグ田マスオと子供のタラオ(タラちゃん)の7人家族。番組がスタートして38年目の現在でも、アニメ部門最高の視聴率を維持している、磯野家はまさに日本を象徴する国民的家族といえる存在である。
『サザエさん』の放映が開始された1960年代には、磯野家のような三世代家族は世帯全体の約3分の1を占めていたが、その中でも徐々に核家族化が進行しはじめた時期で、マスオさんのように自分のフグ田姓を名乗りながら妻の両親と同居するスタイルは、新しい家族像のお手本でもあった。
ところが現在では三世代家族が減少していることは言うに及ばず、核家族の形態さえも崩れかけている。総務省の調査によると今後の20年間で、「両親と子供」が暮らす最も標準的な核家族は次第に減少し、「ひとり親と子供」「夫婦のみ」「単身者」という、これまでは例外的に扱われてきた家族構成の世帯が増えていくことが予測されている。その時には、サザエさんのような三世代家族はもはや“例外”的な扱いでしかなく、まさに「標準的な家族」と「例外的な家族」が入れ替わってしまうことになる。
《これからの家族構成の推移(全世帯数に対する割合)》
| 夫婦のみ | 夫婦と子 | 一人親と子 | 単身者 | その他 |
1900年 | 15.5% | 37.3% | 6.7% | 23.1% | 17.4% |
1995年 | 17.4% | 34.2% | 7.1% | 25.6% | 15.7% |
2000年 | 18.9% | 31.9% | 7.6% | 27.6% | 14.0% |
2005年 | 20.1% | 29.9% | 8.3% | 29.0% | 12.7% |
2010年 | 20.8% | 28.3% | 8.8% | 30.3% | 11.9% |
2015年 | 21.0% | 26.8% | 9.2% | 31.7% | 11.4% |
2020年 | 20.9% | 25.4% | 9.4% | 33.1% | 11.1% |
2025年 | 20.7% | 24.2% | 9.7% | 34.6% | 10.9% |
※出所:国立社会保障・人口問題研究所
この表だけでも十分にショッキングな内容だが、じつはこの予測値はかなり保守的に計算されていて、実際の20年後にはもっと驚くべき家族構成の変化が訪れているかもしれない。その具体的な読みとして「一人親と子の世帯」、これは主にシングルマザー世帯のことを指しているが、この層が予測よりも大幅に増える可能性がある。それは日本が少子化対策に真剣に取り組むとすれば、女性が離婚しても安心して子育てができる環境、さらには結婚しなくても子供が産める環境を欧米並みに整えていかなくてはならないためだ。
日本の“家族”に対する常識は「血縁者と配偶者」というのが前提だが、今後はこれも取り払って考える必要がある。事実上の結婚生活はしていても入籍はしない同棲カップルや、子連の相手と再婚してできた継家族(ステップファミリー)、それに価値観が合う単身者同士が同居して生活する生活など、これまで日本の常識では例外扱いされてきた家族の形態を、社会的にも正式に認めなくてはいけない時代が到来しているのだ。それは政府の厚生白書の中で、少子高齢化の対策として言及されている。
このような従来の常識を超えた新しい家族のことは“超家族”とも呼ばれていて、彼らが新しいライフスタイルのリーダー層として注目されている。ところが潜在的に超家族市場が非常に大きいにも関わらず、企業が手掛けるサービスとして、この層にフォーカスしたものが日本ではまだ少ない。シングルマザー市場をとっても、最近の5年間では 20%のペースで急拡大していて、約150万世帯にまで増えている。彼女達は従来の生活スタイルとは異なるため、シングルマザー向けサービスが各分野で成り立つ余地はあるのだが、その需要に企業の側がまだ追い付いていない状況である。その例に限らず、将来にかけての“超家族化”は、一般人の常識を遥かに超えた価値観で新たな市場を生み出そうとしている。すでに超家族化が進んでいる欧米の例を参考にしながら、その具体的な新市場と商機について考えていくことにしよう。
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●同棲カップルを増やすことが日本の課題
●欧米の未婚者と日本の未婚者との違いについて
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●国が少子化対策として推奨する出会い仲介サービスの方向性
●核家族の終焉〜新たな大家族によって見直される家業の魅力
●気の合う同居人を探すルームシェアサービスの新たな市場
●変化する結婚観の中で急拡大する独身男性市場の特性と商機
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JNEWS LETTER 2007.10.8
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