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新たな家庭の形態が生み出す
「家族の絆を深める」ための市場
written in 2005/7/23

 近頃では「親業」という風変わりな市場が生まれている。親業には“子育て”の意味があるが、親と子のコミュニケーション術を学ぶためのセミナーやコーチングなどが、関連サービスとして成長しているのだ。本来、親と子の関係は家庭生活の中で自然と育まれていくものだが、現代では家庭環境が複雑になっていることもあってか、お金を払ってでも「親業を学びたい」という需要が増えつつあるようだ。これは「家族」の形態が変化していることのシグナルと言えるかもしれない。

企業活動では、古い時代から「家族(ファミリー)」を最も重要な顧客対象としてきた。自動車や住宅、飲食、レジャー業界など、いずれをとってもファミリー向けサービスを充実させることで大多数の消費者層を獲得することができたわけだ。今でも「家族」が大きな購買力を持っていることに変わりはないが、テレビCMの中で描かれている“理想的な家族”には、現実と大きなギャップが生じている。

政府が年金や税収プランのシミュレーションを行う際によく“標準世帯”(会社員の夫に専業主婦、子供二人)のモデルに該当する家族というのは、現代の世帯構成では約3割に過ぎないのが実態だ。一口に“家族”といっても、今ではその構成や形態はじつに多様化している。共働き世帯で日中は母親がいない家庭は、子育て世帯全体の半数を超える他、子供のいない夫婦のみの世帯、母子家庭や父子家庭、単身赴任などで家族が離れて暮らす世帯など、現代家庭の形態は様々である。これらをすべて一括りにして標準的な「ファミリー向けサービス」として提供することは、時流を的確に捉えているとは言えない。反面、“標準”から外れた新しい家庭のニーズを満たすサービスというのは、日本では未開拓の有望市場として残されている。
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この記事の核となる項目
 ●家族の関係を良好に保つための家族支援サイト
 ●家族専用のWebサイトで絆を深めるオンライン機能
 ●親業を支援してくれるオンラインマガジン
 ●家外での子供の安全を守るセーフティ市場
 ●離婚〜離婚後の生活をサポートするためのサービス
 ●複雑な人間関係によって見直される家系図と新たな人脈ビジネス
 ●「家族回帰」が生み出す消費トレンドと家族向けITビジネス
 ●個人ではなく家族で考える独立起業プランのススメと開業生存率


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