ビットコインマイニングの裏側で稼ぐ業界
JNEWS会員配信日 2017/11/6
ビットコイン人気の高まりで最も儲けているのは、通貨マイニング(採掘)用のパソコン機器を販売しているメーカーと言われている。グラフィックボードメーカーの「NVIDIA」では、従来よりも演算処理を高速で行えるグラフィック処理ユニット (GPU) の需要が、採掘者の中で急増したことから、2017年の売上高は前年比で54%伸びている。仮想通貨のマイニングを目的に設計されたハードウエアは「マイニングリグ」と呼ばれ、次々と新製品が発売されており、高性能なスペックを追求することから製品価格も上昇している。
※仮想通貨マイニングに使われる「NVIDIA GeForce GTX1070」
マイニングリグは、大手メーカーに限らず、自身が採掘者として得たノウハウを元に、オリジナルの製品にカスタマイズして販売することも可能だ。米カリフォルニア州にある「Parallel Miner」は、仮想通貨マイニングに特化したスモール業者で、DIYでマイニングリグを構築するユーザー向けに、オリジナルのアダプター、ケーブル、電源キットなどをオンライン販売している。商品代金の決済は、ビットコインの他にも、イーサリアム、ダッシュコイン(Dash)、モネロ(XMR)、スチーム(Steem)などの仮想通貨にも対応して、世界の採掘者からの注文がある。
しかし、ビットコインマイニングの難易度は急速に高くなっている。マイニングの成果は、採掘をするマシンの演算性能によって決まり、ハッシュレート(採掘速度)という指標によって把握することができる。
ビットコインマイナーは、採掘するマシンのハッシング・パワーと消費電力、マシンを置く地域の電気料金、現在のビットコイン相場によって、マシンを24時間稼働させることで得られる利益をシミュレーションすることが可能だ。その数値を見ながらマシン性能のアップグレードをしているが、2016年頃からは世界でマイニングに使われるマシンのハッシュレートは加速度的に上昇している。そのため、個人が投資できるスペックでは性能が足りず、電気代を差し引くと赤字になってしまう。
■仮想通貨マイニングのシミュレーション機能(CryptoCompare)
仮想通貨のマイニングは、高性能なハードウエアを使う者ほど優位になるため、現在では、大規模なマイニング設備を稼働させている事業者の採掘権を、ハッシング・パワー単位で購入する「プールマイニング」の手法が主流になりつつある。
しかし、プールマイニング業者の7割以上は中国資本で占められており、信用力では不安な面もある。また、実際には自社のマイニング設備は持たずに、他のマイニング業者への投資を行い、その資金を小口で集めている会社もあるため、プールマイニングの選定には注意が必要になる。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・ビットコインユーザーの特性と分類
・風が吹くと桶屋が儲かる法則(ビットコイン市場で儲ける業界)
・節税対策としてのビットコイン活用策
・店舗向けビットコイン決済の仕組み
・ビットコインマイニング(採掘者)の実態
・仮想通貨を保有するための3つの方法
・リモートワーカー向けビットコインによる賃金システム
・水面下で成長するビットコイン経済圏
・ビットコインだけで生活する人達の台頭
・誰もが独自通貨を発行できる「ビットコイン 2.0」の運用モデル
・ブロックチェーンで資産価値を高める共有台帳システム
■この記事の完全レポート
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