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 インターネットユーザーの独立起業意欲と問題点 


 JNEWSでは98年12月13日〜99年1月10日までの期間にインターネットユーザーを対象に「独立起業に対する意識と問題点の調査」をおこなった。その結果、サラリーマンとしての仕事に満足している割合は低く「チャンスがあれば独立起業してみたい」と考える層が圧倒的に多いことが判明した。しかし実際に起業への行動を起こすにはたくさんの問題点があり躊躇せざるを得ない傾向が強い。今回収集したデータから様々な角度からの特性を分析してみたい。

◎調査期間:1998/12/13〜1999/1/10
◎回答総数:5163件(うち有効回答4908件、無効回答255件)
◎調査方法:
JNEWSサイト(https://www.jnews.com/)内にてアンケートページを設置して回答を募った。今回の調査では幅広いユーザー層からサンプルを収集する必要があるため「オープン懸賞付きアンケート」としてビジネス志向の強くない一般ユーザーにも参加してもらいやすい形にしている。
(全回答数の7割はビジネス志向の強くない一般ユーザーからの回答)
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独立起業への関心度

 『チャンスがあれば起業してみたい』と回答した人は総数に対して66.3%と非常に高い。具体的に起業を計画していたり、既に起業している層を合算すれば実に81.2%のインターネットユーザーが独立起業に対して何らかの興味(起業家願望)を抱いていることがわかる。また女性の起業意欲に関しても男性と大差なく同じ傾向で高率を示しているのも注目点。

table02
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サラリーマンが独立起業する際の障壁


 『サラリーマンが独立起業する際の障壁はなんですか?』という質問に対して下記10項目の選択肢の中から複数回答をしてもらい、集計してポイント化した。最も大きな問題点と考えているのは「資金力」で、その後30ポイント以上離れて「商売のノウハウ不足」「人脈」「勇気・行動力」が続く。

 <総合結果>
table03
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 ただし「漠然と起業してみたいと考える層」と「既に起業を経験している層」とでは問題点意識に関して若干の差が確認できる。下記がその比較データである。


<(チャンスがあれば起業してみたい人)→(既に起業している人)>
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  (※point数が高いほど問題意識が高いことを表す。)

 ☆の項目に注目してもらいたい。「資金力」に関してはやはり最も大きな問題点であるが、起業経験者の方が起業未経験者よりもポイントを下げている。逆に「勇気・行動力」については起業未経験者より起業経験者の方がポイントが高くなる。これは勇気・行動力が事業開業当初にのみ必要なのでなく、継続的な事業運営をするにあたり常に必要であることを意味している。




独立起業年齢と資金繰り


 起業年齢と資金力に関しての問題意識には大きな差が認められない。若年層ほどサラリーマン時代の給料が低く資金調達に苦労するように考えがちだが、現実には40歳代以降でも家族を抱えて毎月の生活費負担が大きいため、余裕資金を確保して起業、というわけにはいかないようだ。

<回答者年齢別の「起業するための資金力に問題がある」ポイント>
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独立起業と家族の反対


 「家族の反対」についても起業経験者ほど重視する問題点である。実際に起業してみて予想したよりも売上予測や資金繰りが厳しく、家族に心配や迷惑をかけることに起業してから気付くケースも多い。特に起業年齢が高くなるほど家族からの反対が深刻化しており30歳未満の独身者層では20.0ポイントであるのに対して最も生活費負担の大きな40〜55歳未満では33ポイントを超えて高くなる。下記の結果から判断した起業しやすいタイミングは30歳未満と言える。40歳〜55歳の独立起業はタイミング的には難しく、遅くとも30歳代で起業することが望ましいようだ。

<回答者年齢別の「家族からの反対」ポイント>
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性別回答者比率からわかるターゲット層


 回答者の男女別年齢分布を調べてみるとインターネットユーザーには男女間で大きな分布差があることがわかる。男性ユーザーが18歳〜45歳までを中心とした比較的幅広い世代に分布しているのに対して、女性ユーザーは18歳〜35歳までが8割以上を占め、特に25〜30歳の層が厚いのが注目点。これは独立起業に関心の高いユーザーに限られた特徴ではなく、インターネットユーザー全体における男女別の分布特性だと推測できる。

 つまりインターネット上で女性を対象とした事業展開をする場合には25〜30歳世代の関心が高く、ニーズに合致したサービス内容、品揃え、戦略を組むことが重要だ。具体的には「転職・起業」「ファッション」「ショッピング」「旅行」「恋愛から結婚へ」「出産」等がそれに該当するだろう。

<男性回答者年齢比率>
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<女性回答者年齢比率>
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インターネットとシニア層


 米国ではインターネットと高齢者との関わりが注目されているが、日本国内では今回の調査からは50歳以上のシニア層は全回答数の2.5%と途端に回答者数
が低下する傾向が顕著だ。そのため現時点で50歳以上のシニア層をターゲットした事業展開をする場合にはインターネットに固執することなく他のメディアを活用していく方向を重視した方が短期的には採算ベースに乗りやすい。ただ将来的には米国同様に高齢者とインターネットとの関わりが深まっていくだろう。




総括


 今回の調査からインターネットユーザーには比較的高い独立起業意欲があることがわかる。これは終身雇用制や給与体系の変化によるサラリーマンとしての将来への漠然とした不安感や、インターネット環境や通信インフラの発達により、起業しやすい土壌が出来つつあることが起因しているようだ。この結果を踏まえれば企業側としても従業員の独立意欲の芽を摘もうとするのではなく、上手に育てることで社内のベンチャー精神を高め、新規事業発掘や労働意欲の向上につながることがわかる。今の独立希望者が求めている最も良い環境とは「最低限の生活保障が確保された上でチャレンジできる環境」であるようだ。

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