コロナ禍以降は高齢者の死生観も変化してきたことで、ポジティブな終活ビジネスとして「バケットリスト(棺桶に入るまでにやっておくべきリスト)」が注目されている。旅行業界ではテーマ別のバケットリストを作成して高齢者の購買意欲を刺激している(JNEWSについてトップページ
バケットリストによるポジティブ終活市場の開拓モデル

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JNEWS会員配信日 2021/11/21

これまでの「終活」というと、遺言書の作成や家財道具の整理などネガティブな作業が中心だったが、コロナ禍では「死」を身近に意識するようになったことから、終活市場にも変化が起きている。それは「生きられるうちに、やりたいことは全部やっておこう」というポジティブな変化で、海外では、趣味やレジャーのカテゴリー毎に、bucket list(バケットリスト)のランキングが、人気コンテンツになってきている。たとえば、米国の自動車販売サイトのAutoWebでは、「バケットリストに入れるべき20台の車」を掲載している。

20 Must-Drive Cars for your Bucket List(AutoWeb)

bucketは「亡くって棺桶に入ること」を意味して、死ぬまでに実現したい夢や、会っておきたい人などをリストに書き留めて、一つ一つ実現させていくことが「バケットリスト」と呼ばれている。

語源となったのは、2007年にハリウッドで公開された「The Bucket List(邦題:最高の人生の見つけ方」という映画で、大病で余命宣告された大富豪と貧しい工員、男2人の主人公が入院先の病室で偶然出会い、お互いが生きてきた境遇を語り合う中で心を開き合っていく。2人は共に旅をしながら、人生に残された時間の中で、バケットリストに従って、やり残した事を次々と実行していくストーリーである。

■The Bucket List(最高の人生の見つけ方)

この生き方(死に方)を模倣した旅行は「バケットリストツアー」と呼ばれて、終活を意識した旅行市場として成長してきている。コロナ禍では海外旅行ができない状況が続いているが、その渇望感からも、収束後にはバケットリストツアーへのニーズが高まると予測されている。バケットリストを意識するのは、シニア層に限らず、20~30代にまで広がっているのが、近年の特徴である。

世界的な宿泊予約サイトのHotels.comが、2017年に28カ国の成人を対象に、旅行に関するバケットリスト(死ぬまでにしたい旅行)を調査したところ、ミレニアル世代は、定番の観光地を巡るよりも、その土地ならではのストリートフードを食べたり、小さな街を車で回るなど、異文化を体験できる旅行への関心が高い。
また、ミレニアル世代(25~30代)の40%は、両親または祖父母とバケットリストを達成したいと回答している。

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