感染対策を意識した社会で、孤独や孤立に陥る人達に対して、屋外での人との交流と運動不足解消を目的としたウォーキンググループの運営が注目されている (JNEWSについてトップページ
社会的孤立者を救済するウォーキングコミュニティ

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JNEWS会員配信日 2020/6/22

 人との間隔を2メートル以上に保つソーシャルディスタンスを意識した社会は、隣人と気軽に挨拶をしたり、世間話をする習慣も阻害して、孤立や孤独に陥る人が増えることも懸念されている。これは「Social isolation(社会的孤立)」と呼ばれて、以前から指摘されてきた問題だが、コロナ後はさらに、人とのコミュニケーションができずに孤立する人への配慮や対策が必要になる。

 会的孤立者の支援や救済は、世界に共通した事業テーマとして浮上している。
英国では、65歳以上の人口が1,080万人いる中、380万人が一人暮らしをしている。
中高年者向けの支援活動を行う「AGE UK」によると、英国内で140万人の高齢者が慢性的な孤独を感じており、家族、友人、近隣住民との交流をしていない。

英国の大手保険会社、フェニックス・グループでは、そうした孤立者を支援する目的で、「Walking Friends」 というウォーキンググループの運営を、2019年11月から開始している。この活動では、フェニックスの社員を中心とした現役のビジネスパーソンが、ウォーキングの専門講習を受けた上でリーダーとなり、地域の高齢者を募って定期的なウォーキングイベントを開催するものだ。

高齢者はウォーキングに参加することで、自然と運動量を増やすことができ、参加者同士の交流も生まれる。ウォーキング後は、地元のカフェを休憩場所として利用することで、孤立していた高齢者にとっては「新たなお店探訪」もでき、地域経済にも貢献できる。

一方、ウォーキングのリーダー役となるビジネスパーソンも、日頃の運動不足を解消することができ、コロナ後にリモート勤務が増える中で、自身の孤立化を防ぐことにもなる。保険会社が発案者となっているのは、ウォーキング活動を通して、高齢者の見込客を増やせるという思惑もあるだろう。

■Walking Friends活動の紹介動画

このような社会的孤立の解消イベントでは、誰でも参加しやすい「ウォーキング」のように、身近かつローコストで定期的な開催がしやすいテーマを選択するところがポイントで、参加者の間口を広げながらコミュニティを盛り上げていくことができる。

日本でも、単身世帯(1人暮らし)の割合は2010年に3割を超して、2040年までには4割という予測値が出ている。さらに感染症へのリスクとワークスタイルの変化から、自宅にひきこもる人の数は増えていくことになり、人間関係は希薄になっていく。孤立と孤独を抱えている人達に向けた対策サービスは、感染症に強い都市の再開発と連動して、潜在需要が大きな分野といえる。

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