感染症の拡大防止策として、学校閉鎖をすることで家族感染や地域コミュニティ全体への感染速度を遅らせる効果があることは、インフルエンザの流行シミュレーションからも実証されている (JNEWSについてトップページ
感染速度を遅らせる学校閉鎖の効果と家族感染の防止策

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JNEWS会員配信日 2020/3/5

 中国ではCOVIT-19の流行初期が、春節の新年会シーズンと重なったことでパンデミックの加速度が増していったとみられている。インフルエンザのような感染症が、どのようなスピードで広がっていくのかは、病原体の潜伏期間、活動期間、感染力などの条件と、保菌者の行動パターンによってビックデータ分析で予測することは可能だ。日本政府も、ウイルス伝播のシミュレーションを行った上で、学校閉鎖の決断をしているはずである。

たとえば、塩野義製薬解析センターでは、実際にインフルエンザが流行した小学校の観察データを元に、生徒間にウイルスが伝播するシミュレーションを行い、学級閉鎖の適切なタイミングを算定した結果を、2011年の日本感染症学会で発表している。

それによると、学級内のインフルエンザ罹患率が0.4%の段階で学級閉鎖を4日間行った場合には、最終的な罹患率は12.2%に抑えられる。しかし、学級の4人に1人(27%)に症状が出た段階で学級閉鎖をした場合には、最終罹患率は75%にまで広がってしまう。

《インフルエンザ学級閉鎖シミュレーション》

中国疾病予防管理センター(CCDC)が、軽度から重篤者までを含めたCOVID-19の症例72,314件を調査したレポートによると、湖北省以外のクラスター(感染源となっている集団)は、驚くことに64%が「家庭内」となっている。学校で感染が起きれば、子どもから親へと感染し、さらに職場や地域のコミュニティへと広がっていく。その点では、全国の学校閉鎖を行うことで、国土全体のパンデミックを遅らせる効果は期待できる。

《感染者の年齢分布(中国)》

Summary of a Report of 72314 Cases From the Chinese Center for Disease Control and Prevention

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