生活習慣病の症状悪化を防ぐことを目的としたヘルスケアサービスが、自治体や企業の健康保険組合向けに拡大。糖尿病と高血圧の潜在患者数は国内で2000~3000万人、その重症化を防ぐことが医療費削減の重点項目になっている(JNEWSについて
高血圧+糖尿病の重症化を防ぐ予防ヘルスケアの潜在市場

JNEWS会員配信日 2018/3/31

 日本の医療費の内訳をみても、生活習慣に関係した慢性病の負担は大きいが、その中でも潜在患者数が多いのは、「糖尿病」と「高血圧症」である。この2つの病気は合併率が高いことから、同じ患者層と捉えることもできる。症状を放置しておけば、動脈硬化が進んで心臓病や脳卒中のリスクも高くなることから、現代では、高血圧と糖尿病の予防をすることが、健康改善サービスの急所であり、国民医療費を軽減させるポイントでもある。

《主な慢性病の患者数(国内)》

また、平成28年の「国民健康・栄養調査」では、「糖尿病が強く疑われる者」が約1,000万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」も約1,000万人と推計しており、トータルでは 2,000万人が該当することになる。しかし、日本では、糖尿病予備軍を対象にした健康改善サービスの開発例がまだ少ない。

海外では、この分野が有望市場と捉えられている。2014年にマサチューセッツ工科大学の研究者が創業した「Twine Health」は、高血圧や糖尿病などの持病を抱える患者が、医師や看護師、家族や友人のサポートを受けながら、生活改善をしていためのオンライン・プラットフォームを開発している。患者は、かかりつけの病院に通うだけでなく、血圧、血糖値、運動量などのデータをチーム全体で共有し、チャットによる励ましや、数値を良くするためのサポートを受けることができる。


従来の治療では、慢性病の通院回数は月1回程度で、診療時間も限られているため、日々の生活面をサポートするところまではできないが、Twine Healthのプラットフォームを利用すれば、患者の健康改善への意識を高めることができる。この方法は、慢性病患者の心理や行動を分析した理論(行動科学)に基づいたもので、強制的な療養生活をさせるよりも、周囲の人達との良好な協力関係を築くことが、自発的な生活改善への努力を促して、血糖値の安定や血圧低下などの効果が出やすいことが実証されている。

Twine Healthでは、主なターゲットを「企業の従業員向け健康管理」に定めており、プラットフォームの機能には、健康数値が改善した社員に対して、特典や賞金が与えられるインセンティブ機能も設けられている。

TwineHealth
■行動科学に基づいた生活改善のイメージ(動画)

血圧や糖尿病の対策が必要な潜在患者数は、米国内だけで1億人以上とみられていることから、Twine Healthプラットフォームの有効性は高く評価されて、2018年2月には、健康ウェアラブルデバイス・メーカーの「Fitbit」が同社を買収している。Fitbit社では、2,500万人以上のユーザーに製品を提供して、運動量、食事、体重、睡眠時間などのデータを取得しているが、今後はTwine Healthの機能と連携させた健康管理サービスを、保険会社や企業の従業員向けに強化していくことを目指している。

Fitbit(日本向けサイト)

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