持病の後遺症で自宅療養している人に向けた訪問医療マッサージの開業者が全国的に増えている。公的保険の適用サービスとなるため、固定客を獲得すれば安定収入が得られる一方で、国の保険制度に依存することで幾つかの問題点を抱えている。
公的保険に頼る訪問医療マッサージの問題点

JNEWS会員配信日 2017/2/9

 高齢者の中には、持病の後遺症で自宅療養をしている人が多い。自力で歩いて通院することが難しい人に向けては、「訪問マッサージ」のサービスがある。これは、国家資格「あん摩マッサージ指圧師」の有資格者が自宅に訪問してマッサージをする。公的医療保険の適用サービスとなっているため、利用者の料金負担は1~3割で済むのが特徴。


料金はマッサージをする部位の数と、往診距離によって算定されるが、平均的な利用料金は1回あたり 4,000~5,000円。1割負担の高齢者なら 400~500円が自己負担額になる。この料金体系は、国が定めているもので、業者が自由に変更することはできない。

訪問マッサージは、患者の自宅に出向いて施術を行うため営業テリトリーが広く、継続的な訪問先が増えれば、保険診療によって安定収入が見込める、という思惑で、新規の開業者が増えているが、これも幾つかの問題点を抱えている。

一つは、患者が訪問マッサージを利用するには、かかりつけ医師の「同意書」が必要になるが、マッサージ業者と医師との連携が上手くいっていない。医師は、自院の治療だけでは手に負えないケースでなければ同意書は発行したがらず、しかも、3ヶ月単位で同意書の更新が必要になる。

もう一つは、施術料の法定料金が安く設定されているため、業者側では熟練したマッサージ師を派遣することが難しく、国家資格は取得しているものの、経験が浅い者が採用の中心になっている。施術時間も「20分」が1単位となるため、時間が短くて十分なマッサージをすることが難しい。

介護、医療、障害者支援などの福祉事業は、いずれも公的な保険や給付金をベースに収益構造が形成されているため、国が決めた料金体系とサービス内容に従う必要がある。さらに、法改正によって、採用する人材の条件や給付額の単価も変更されるリスクがあるため、ブームに便乗して参入した事業者はビジネスモデルの立て直しが難しい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です記事一覧 / JNEWSについて

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