作業員の安全と生産性を高めるウェアラブルソシューション
JNEWS会員配信日 2016/11/12
建設現場などの危険を伴う作業でも、テクノロジーによる革新が求められている。疲労が溜まっていたり、睡眠不足の状態で肉体労働を続けることは、大事故の原因になることから、作業員の身体レベルを常時モニタリングできる仕組みが求められている。
身体に装着するウェアラブルデバイスとしては、スマートウオッチが各種発売されているが、時計は、軽量であることやデザイン性が重視されて、機能やバッテリー性能を犠牲にしている面が大きい。そこで、肉体労働の現場では「帽子」や「ヘルメット」が注目されている。
オーストラリアのSmartCap社が開発したのは、電子的に脳波を測定できるプロセッサが組み込まれた、野球帽タイプのキャップ(スマートキャップ)で、工事車両を運転するドライバーの疲労レベルをモニタリングすることができる。
脳波プロセッサは、マッチ箱サイズのカード型になっており、作業員は勤務を開始する際に、キャップのスロットにカード差し込んで使う方式になっている。
帽子の脳波センサーが測定したデータは、Bluetoothで車両のWi-Fiネットワークに送信されて、そこから3G/4G接続された通信回線で工事管理者のディスプレイ上にもリアルタイムで表示される。疲労度が基準値を上回っていればアラート音を鳴らして、ドライバーに休憩が指示される仕組みだ。
スマートキャップの開発は、豪州の主力産業である、鉱山採掘の業界団体と共同で行われているものだ。豪州では、約50万人が鉱山労働者として働いているが、鉱工業は労災事故が起きるリスクが高いことから、安全や健康への対策には積極的に取り組んでいる。そこから生まれたスマートキャップは、運送、物流、鉄道、航空などの業界でも活用されはじめている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です → 記事一覧 / JNEWSについて)
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