JNEWS会員配信日 2015/7/14
食品の分野でもカスタマイズによって商品の付加価値を高めることは可能で、ユニークな新ビジネスが登場してきている。
フロリダ州にある「CROPfeast」は、顧客の健康状態や希望に応じて栄養成分をブレンドするオーガニックジュースのショップで、オンライン販売は行っておらず、実店舗のみで営業している。製造方法は、オーガニックの野菜や果物を低温搾汁で手作りジュースにするもので、価格は480ccのボトルで6ドルの設定。
創業者は、看護師とフィットネスインストラクターとして20年以上の経験を持つ女性。自分自身が甘いものが好物で、砂糖の依存症から抜け出せない悩みを抱えていたことから、手作りのオーガニックジュースで健康改善する方法を考案したもの。
原料とする野菜や果物を柔軟にカスタマイズすることで、商品のバリエーションを増やしており、現在は、スポーツジムを主な販路にしている他、ホールフーズなどでの試食販売、イベントへの出店などで人気を高めている。米国では健康への配慮から、大手メーカーの量産品よりも、スモール業者の手作り食品を求める消費者が増えてきている。
■CROPfeast http://www.cropjuicesrq.com/
同じくフロリダ州を拠点にして、ダイエットをしている人、妊婦、高齢者などを対象に、オーガニック素材の食事を定期的に宅配するサービスの「Healthy Chef」でも、顧客の食生活に合わせた素材のカスタマイズに対応している。
配食サービスというと、業者側が決めたメニューに従うのが一般的だが、それでは給食と同じで、自分が好きな料理を楽しむことができないし、個々の体質に合った食事をすることが難しい。
しかし、Healthy Chefでは、グルテンフリー、ベジタリアン、ビーガン(完全菜食主義)などの特別メニューを用意している他、一般の利用者でも、一週間分のヘルシーなメニューを柔軟に組み立ててオーダーできるようになっている。各メニューで、アレルゲンとなる食材を抜いてもらうことも可能。料金は1食あたりの単価が10〜15ドルで、1週間分のメニューをオンラインで注文する方式だ。
■Healthy Chef http://www.healthychefcreations.com/
これからの食品ビジネスでは、飲食店も含めて、顧客の健康状態や持病の有無によっても、使う食材や調理の内容をカスタマイズしていくサービス形態が求められるようになるだろう。しかし、それを従来の厨房作業で行うには手間がかかりすぎるため、新しい技術や設備によるフードソリューションが必要になってくる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●中古車のシートをカスタマイズするビジネス
●人生ストーリーに合わせたカスタムジュエリー
●3Dプリンターで進化するジュエリー業界
●ボディスキャナーによる個客向けカスタムサービス
●体調によってカスタマイズする食品ビジネス
●3Dプリント・フードソリューションの世界
●調理道具をカスタマイズする発想
●海外から国内へ回帰する製造業に向けたローカル人材発掘
●製造業の枠組みを変革するメイカーズムーブメントの本質
●メイド・イン・USAをブランド化する米国製造業の再生モデル
●個人が「メーカー」として起業するパーソナル製造業時代
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.7.14
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