シフトワーカー向け勤務管理ソフトの潜在需要
現代の労働者が睡眠不足に陥っている要因としては、海外とのビジネスや、深夜・24時間の対応で勤務しなくてはいけない仕事が増えてきたも挙げられる。そのため、職種によっては、時差や体内時計を無視した勤務をしなくてはならないが、その弊害は水面下で生じている。
3交代制のシフトワークで働いている看護師の平均睡眠時間は 約6.2時間と、他の労働者よりも短いが、最近の研究では、夜勤を含めたシフトワークを10~20年続けることによって、糖尿病の発症リスクが高まることが確認されている。
また、夜勤が重なることによる睡眠不足で、医療事故の発生確率は1.83倍、通勤中の居眠り事故が2倍に上昇すると言われている。
その対策としては、雇用主である医療機関が、仮眠ができる環境を整備することに加えて、一人の看護師に夜勤が集中しないようなシフトワークのスケジュール管理が重要になってくる。
しかし、現在の医療現場では、医師や看護師の勤務スケジュールが、ずさんに管理されているのが実態。各スタッフの勤務日程を健全に保ちながら、どの時間帯でも、医療サービスの質を一定に維持できるシフトスケジュールを組むことは、想像以上に困難であり、これは「Nurse Scheduling Problem:NSP(ナース・スケジューリング問題)」として、世界的に提起されているテーマだ。多数の看護師が在籍する大病院ほど、勤務表の作成は難解になる。
そこで、各スタッフが出勤・休みたい日時の希望と、習得している技術や経験レベル、担当している仕事の内容から、最適なシフトスケジュールの組み合わせを抽出できる、数理的なアルゴリズムが求められており、システム開発の業界にとっても取り組み甲斐のあるテーマになっている。
《最適なシフトスケジュールを組むための条件例》
○病院の就業規則、勤務ルール
○過去の勤務、休暇状況(過剰勤務になっていないか?)
○各看護師が希望する休日、勤務の時間帯
○習得している医療技術のレベルや経験
○担当している患者や仕事の内容
○労働基準法や取得資格による制約
24時間体制でシフトワークを組む職種は、介護、製造業、運輸、サービス業などの分野でも増えてきているが、シフトスケジュール管理の中で、最も難易度が高いのは、「医療業界」であり、そこで完成度が高いシステムが開発できれば、他の職種にも流用することが可能と言われている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
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・企業向け昼寝ポッドのレンタルビジネス
・昼寝サロンは儲かる商売か?採算と問題点
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・体内時計からみたシエスタ制度の是非
・シフトワーカー向け勤務管理ソフトへの需要
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・JNEWS LETTER 2014.9.30
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