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  英国のロンドンマラソンには4万人の参加者があるが、単にタイムを競うのではなくて、NPOから選出された代表選手が、市民に募金を呼び掛けるために出走するチャリティイベントとしても盛り上がっている。日本の震災復興においても、こうした市民スポーツによるチャリティは有意義な資金調達モデルになりそう。
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東京マラソンが手本にする
市民マラソン大会のビジネスモデル
written in 2010/2/10

 ウォーキングよりも本格的な運動として人気なのがジョギングで、社会生活基本調査によると、国内のジョギング人口は約1000万人、その中で週に1回以上の頻度で走っているランナーは 350万人と推定されている。ウォーキング人口の1〜2割が熱心なジョギングランナーへ移行するとみられているが、じつはその数が近年で急増している。東京でも皇居周辺を走るランナーが数年前から増加しているが、これには「東京マラソン」の効果もあると見られている。

東京マラソンは、石原都知事の肝いりで2007年から開催されている市民参加型のスポーツイベントで、開催初年度の応募者数は9万5千人だったのが、翌2008年には15万人、そして2009年には26万人にまで増加している。

《東京マラソンの応募者数推移》
    マラソン(42.195km)10km
    2007年77,521人(定員25,000人)17,523人(定員 5,000人)
    2008年130,062人(定員25,000人)25,950人(定員 5,000人)
    2009年226,378人(定員30,000人)35,603人(定員 5,000人)
広告費を投じて、毎年これだけの参加者を増やしていこうとすれば膨大な資金がかかるが、マラソンの場合には、街中で練習中のジョギングランナーを見かけるようになると、その姿に刺激されて「自分もやってみよう」という人や「友人に誘われたから」という人が次第に増えていく。そして増加カーブのある地点(臨界点)を越えると、市民ランナーが爆発的に増える現象が起きる。これは自転車のサイクリストにも見られる傾向で「クリティカル・マス」と呼ばれている。この社会現象を上手に利用することで、市民スポーツを収益化することも可能になってくるのだ。

 東京マラソンがお手本としているのが、英国で毎年4月に開催されるロンドンマラソンと言われており、3万5千人の参加定員に対して10万人以上の応募がある。表面上の応募者数では、既に東京マラソンがロンドンを上回る程の規模になっているが、ロンドンマラソンには奥深いビジネスモデルがある。
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この記事の核となる項目
 ●支持される市民スポーツの特徴
 ●種目別の運動・スポーツ愛好者人口からわかること
 ●ウォーキングツアー事業のビジネスモデル
 ●熱狂ランナーを呼ぶマラソン大会のクリティカルマス
 ●マラソン大会を起点としたチャリティビジネス
 ●ロンドンマラソンの慈善事業モデル
 ●ハンディのあるランナーに対する企業の支援スタイル
 ●少年スポーツチームと営利ビジネスの接点
 ●地域団体を活用した携帯電話の回収ビジネス
 ●感動をウリにする第5次ビジネスの正体と消費者の欲求願望
 ●荒廃した公立学校を再生する教育ベンチャーの役割と商機
 ●部活動を外部委託する動きと地域スポーツクラブの収益事業化


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