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1年で 0.5歳ずつ高齢化する
日本人に向けた水商売の方向性
written in 2009/9/1

「水商売」と言って、酒を売る飲食店や風俗業のことを指すというのは昔のことである。“水で薄めた酒で高い料金を請求するから儲かる”というのが水商売のイメージであったが、美人ホステスが揃っているような歓楽街の高級クラブも近頃では客が減ってしまい、人件費を払いながら店の経営を維持していくのがやっとの状態だ。

歓楽街の客が減っているのには、不況で接待をする法人客の利用が少なくなったこともあるが、それ以上に影響しているのは“常連客が高齢化した”ことが大きい。バブル景気の頃(1980年代)に羽振りが良かった40〜50代の紳士達も、いまでは60代〜70代になって、深夜まで何軒も飲み歩くような歳ではなくなった。加えて、現代の若い世代も酒を飲まなくなっている傾向が顕著で、アルコールに課税をする国税庁の統計からも、十年前と比較して日本酒、ビール、ウイスキーのいずれを見ても酒類の消費量は大幅に減少しているのだ。

《酒類課税数量の推移(単位:千キロリットル)》
    酒類課税数量の推移

酒類の売上が減少していることと引き替えに、急拡大しているのが“健康に良い”と思われる飲料や食品である。パッケージに記載されているカロリーや食品添加物の表示を気にして、できるだけカラダに良さそうな商品を購入する消費者は増えているし、近頃ではお茶飲料の中でも、ポリフェノールやカテキンが多く含まれて“脂肪の吸収や消費を促進する”と効能が謳われた商品が、従来品よりも割高な値段でもヒットしている。

健康食品の種類も選べないほどある。各種のサプリメントで食生活の偏りや栄養素の不足分を補おうとする人は少なくないが、1種類のサプリメントを継続して服用すれば1ヶ月あたり5千〜1万円のコストがかかる。それが2種類、3種類と増えていけば毎月のコストもバカにならない。もちろん安価な商品を探すことは可能だが、“品質=価格の高さ”ということではないにしても、やはり信頼できる商品を選びたいと考えるのが消費者心理だろう。

ところが、サプリメントがどれくらい健康に作用しているのかは判断することが難しい。逆にサプリメントが自分の体質に合わないことで体調を崩したり、医師から処方されている薬が効かなくなることもあるため、健康食品とはいえリスクは存在しているのだ。

そこで、できるだけ副作用がなくて安全で健康に良いものとして「水」に注目する人達が増えている。水をたくさん飲むことで、代謝が活発になって体内の老廃物が出やすくなることは古くから知られている。それならできるだけ安全な水を飲むべきだと言うことで、国内で市販されるミネラルウォーターの売上は20年前と比べると20倍以上に伸びている。

さらに最近では、健康面で付加価値の高い水が女性や高齢者から大人気となっており、ボトル1本が500円近くする水も好調に売れているという状況。これはまさにアルコールよりも高い“水”といえるが、その勢いは留まりそうにない。今回はそんな現代の水商売がどんな理屈やカラクリによって成り立っているのかに迫ってみることで、健康ビジネスへの参入ポイントを探ってみることにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●安全と健康情報で拡大する高級ウォーター市場
 ●国内におけるミネラルウォーターの市場規模推移
 ●科学的に解明される“奇跡の水”の正体
 ●水素水ビジネスの仕組みと業界構造
 ●1年で 0.5歳ずつ高齢化する日本人に向けた水商売の方向性
 ●良質の健康食品を安価で入手する方法
 ●共同購入による健康食品の製造委託モデル
 ●ヤワな日本人には太刀打ちできない一触即発の食糧危機
 ●世界で拡大するベジタリアン市場と崩壊する日本の食文化
 ●江戸時代の石高制度に学ぶ、市民農園を収益化する発想
 ●水危機の到来に向けた「水を売るビジネス」の布石と死角
 ●水割り1杯でいくら儲けるのかを追求したショットバー経営
 ●付加価値の高い「水」を売るための視点と、水の宅配サービス


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