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  脳に良いものを食べて仕事の効率を高めようとすることは「FOOD2.0」と呼ばれて、欧米企業が社員食堂のメニューに導入しはじめている。もともとはグーグルの社食で料理長をしていたチャーリー・エアーズ氏の発案による取り組み。
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日本食を世界に広めるビジネスモデルと
FOOD 2.0による食生活改善
written in 2009/2/2

 一日の食事は朝・昼・晩の三食というのが常識だが、意外にもこれは近代になってからのことで、昔は一食や二食の生活をしていた時代もあった。いまでも食事の摂り方には諸説があるが、皆が同じようにするのではなく、自分の健康状態や生活スタイルに合う食事の方法や内容を決めていくのがベストだろう。

そうは言っても、どんな食事の摂り方が自分に最も合っているのかは、確認がしづらいために「バナナの朝食が健康に良い」といった噂が広がれば、それを試してみる人が一時的に急増する。現代人はその手の情報には非常に敏感で、色々と実践してはみるものの、どれも長続きしないのが実情だろう。

無理な食事制限をするのは勧められないが、日頃の食事に気を遣う健康法は、怪しげな薬に手を出すことよりも良いことは間違いない。現代人にとって最も怖い病気である「癌(ガン)」の原因としても、食生活が深く関係している。日本人に多い胃ガンは、塩分の摂りすぎが起因していることは多くの医師から指摘されているし、大腸ガンの患者が増えているのは、日本人の食事が欧米型へ変化しているためだとも言われる。

ところが欧米で数年前から意外な統計が報告されている。それはガンによる死亡率が1990年代から継続して減少してきているのだ。もともと欧米人は、日本人よりもガンに罹りやすい体質で死亡率が高いという特徴があったが、1990年代後半からはその傾向が逆転して、米国よりも日本のほうが人口の割合からみたガンの患者数や死亡者数が増えているのだ。

欧米の先進国はいずれもガン患者の数(人口割合)が緩やかに減少してきている。その理由には複数の要因が考えられるが、特に2つのことが効果を上げていると言われている。一つはタバコの喫煙率が低下していることで、もう一つは食事の内容が、肉類中心から野菜中心の食生活へと変化していることだ。喫煙率は日本でも欧米並みに低下していることからすると、やはり日本との違いは食生活が関係しているようである。

日本人の食事(和食)は世界で最も栄養バランスが良く、健康的と言われてきたが、その食スタイルが変化してきていることに気付いている人は多いだろう。日本人一人あたりの米や野菜の摂取量をみても40年前と比較すると著しい減少がみられる。一方、欧米では野菜中心の食生活を心がけるようになり、健康を気遣う人達が増えているのだ。その傾向は高年収で社会的地位の高い人ほど強い。

彼らの食生活にみられるトレンドは、理論や数値によって健康的な毎日の食事を考えていこうとする動きで、日本のようにテレビ番組で紹介されたダイエット食に飛びついてはすぐに飽きるという繰り返しとは少し傾向が異なっている。その具体的なスタイルとして増えているのが「ベジタリアン(菜食主義)」の増加で、米国では人口のおよそ5%(約1400万人)が“ベジタリアン”を自称しはじめている。また、やはりガンの死亡率が低下している英国でもベジタリアンが近年急増して人口の1割近くに及んでいる。

菜食といえば本来、和食が得意とするところだが、近年の欧米人と比べると日本では食事に対して無頓着になっている人が増えている。しかし最新の栄養学やDNAの研究では、食品の成分を解明して食生活を改善することも可能になっている。そこで単に食欲を満たすためでなく“健康的な食事”を科学的に組み立てていこうとする動きは「フード 2.0」としてネットビジネスともリンクしてきている。その動向をみていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●変化している日本の食生活と、欧米のベジタリアン人口
 ●野菜とサプリメントはどちらが優れているのか?
 ●日本人の年代別にみた一日あたりの野菜摂取量
 ●米国が仕掛けたベジタリアン育成と食生活のエリート人材
 ●米国のベジタリアン市場が成長した裏事情
 ●世界のベジタリアンが求める日本食ブランド
 ●ガン予防効果が高い食材ランキング
 ●本物の日本食を世界に広めるビジネスモデルとフード 2.0
 ●世界に増える日本食レストランの認定ビジネス
 ●日本食ブランドビジネスの展開モデル
 ●健康理論に基づいた食事法〜 FOOD 2.0への動き
 ●星を売る商売、格付け会社のビジネスモデルと収益構造
 ●100万人会員を超すオンラインダイエットサイトの事業モデル


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