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急成長する脳トレ市場におけるビジネスの
カラクリと潜在顧客
written in 2006/8/1

 任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の品薄状態が続いている。今年3月に発売された新機種は8月に入っても品切れの店が大半を占めていて、ネット上では2万円以上のプレミア価格(定価は16,800円)で取引されているほど。

ニンテンドーDSがヒットした理由は幾つか考えられるが、これまでは子供や若者が主体であったゲーム機の購入者が高齢者層にまで拡大していることの影響が大きい。その火付け役となったのが、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』という脳力トレーニング型のゲームである。このゲームは簡単な計算問題や文章問題を連続してできるだけ早く解答することで、自分の脳年齢がわかるというものだが、実際にプレイしてみると実年齢よりも若い脳年齢を出すことが意外と難しくて夢中になってしまう。

少子化時代の玩具市場では、子供だけでなく大人でも興味を示す知的玩具を開発することが課題だが、DSトレーニングはまさにそのストライクゾーンを突いたヒット商品となり、現在までのソフト販売数は 250万本を超え、次作として昨年末にリリースされた『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』は前作をさらに超える270万本の販売をすでに達成している。任天堂の成功に習い、他の玩具メーカーでも今年は“脳力トレーニング(脳トレ)”をキーワードとした新商品を競って発表している。

じつは、この脳トレ市場というのはゲーム業界だけのものでなく、幅広い業界において事業化させることができるものだ。脳トレ商品の急所は、頭を使うゲームを考案するだけでなく、それが脳の機能を活性化させる効果があることの科学的な裏付けを盛り込むことにある。DSトレーニングの場合には、東北大学の教授で、医学博士として脳のどの部分にどんな機能があるのかを解明するブレインイメージング研究の第一人者でもある川島隆太氏の監修によってソフトが開発されている。

脳機能の解明については、大学機関が先端の研究を行っているが、最近では産学連携のビジネスモデルによって、大学の研究活動によって生み出された成果を民間企業の商品へと反映させることができるようになっている。“産学連携ビジネス”というと、バイオやナノテク分野などを連想しがちだが、もっと身近な分野としていち早く開花したのが脳力トレーニング(脳トレ)市場というわけだ。そのため、任天堂に限らず、一般的な中小企業であっても大学機関との連携やライセンスを受けて脳トレ商品や脳トレサービスを立ち上げることは可能である。
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この記事の核となる項目
 ●頭を使うゲームの考案者、パズル作家の収益構造
 ●産学連携による脳力トレーニングビジネスの裏側
 ●脳トレビジネスを開花させた東北大学の仕掛け
 ●欧米で拡大する脳を鍛えるブレインフィットネス市場
 ●35歳以上をターゲットとする脳トレ市場と介護予防ビジネス
 ●フィットネス業界に学ぶパーソナルトレーナーの起業モデル
 ●玉石混淆の健康サービスが生き残るための医師との協業ビジネス
 ●大学の研究資産を民間企業へと仲介するTLO事業の仕組み
 ●自宅からワークアウトするオンラインフィットネスへの商機
 ●高齢化社会が追い風になる「スポーツ」をテーマとした起業


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