|
間違った知識の氾濫で求められる 食品情報のスペシャリスト |
written in 2005/3/18
春が近づく頃になると花粉症に悩まされる人達が目立つのは毎年のこと。その対策として、国が花粉症を緩和する作用を持つ食料米の開発に取り組んでいる。2007年頃に商品化する見込みで、実用化に向けて研究が進められている。発売が開始されると花粉症患者には朗報として各メディアが報じることで、購入希望者が殺到することが予測されている。
たしかに「花粉症緩和米」は花粉症患者にとって救世主となり得る存在だが、その裏では「遺伝子組み換え食品」としての顔も合わせ持っている。遺伝子組み換え食品といえば、人体への安全性がまだ不透明という不安から、欧米では不買運動や輸入規制も行なわれている代物だ。食品に関する情報(噂)とは不思議なもので、“健康に良い”という噂が流れると消費者は一斉に買いに走るが、逆に“健康に良くない面もある”というネガティブ情報が発信されると一気に購入熱が冷めてしまう。
それでは「健康に良い or 良くない」どちらの情報が正しいかと専門家に問えば、「摂取する人の体質によって異なる」という回答が返ってくる。例えば、「酢は健康に良い」という評判から、コンビニやドラッグストアーでは酢を原料とした各種ドリンクがヒット商品になっているが、酢には体を冷やす作用があるため、冷え性の人が飲み過ぎると体調を崩してしまうことがある。また、海水の中に含まれる「にがり」にはダイエット効果があると女性達の間で人気だが、にがりの主成分であるミネラルを多く摂取しすぎると排泄器官への負担が大きいため、腎臓の弱い人にはリスクがある。
このように“健康に良い”と言われる食品にも必ず、表と裏の両側面が存在しているものだが、消費者に商品を購入させる目的で発せられる食品情報の大半は片面のみをクローズアップしている。その意味において、現代の消費者は“被害者”とも言えることから、食品に関する正しい情報を発信したりアドバイスできる専門家の育成が急務となっている。
(健康関連ビジネス一覧へ)
●グレーゾーンで闘う健康食品サイトと行政の攻防
●日本で求められる食品情報のスペシャリスト
●主婦層から生まれる“食育”のエキスパート達
●主婦が開発した体質改善のテストキット
●主婦がオーガニック食品の専門家として起業
●携帯メールを活用した栄養指導サービス
●必要とされるサプリメント専門家の存在
●科学的な理論と手法によるダイエット専門家として起業する道
●高級健康食品「ローヤリゼリー」の流通構造と優劣の見極め方
JNEWS LETTER 2005.3.18
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
|
|
|
|