ハクティビズムの社会運動が過激化するサイバー攻撃
貧困に苦しむ若者の中では、権力を持つ政府や大企業に対して抗議をする社会運動は古くから行われてきたが、具体的な活動方法は時代と共に変化している。
個人がネットと電子デバイスを使いこなせるようになった現代では、ハッキングによる抗議活動が「ハクティズム(hacktivism)」として注目されるようになっている。
ハクティビズムとは、ハッキング+アクティヴィズム(積極行動主義)による造語で、社会的または政治的な抗議を目的として実行されるようになっている。
時代的な流れとして、2010年代の前半に「アラブの春」という大規模な反政府デモが世界各地に広がったが、路上に集まって騒ぎ立てるだけでは影響力が低い。
そこで、活動の場をネット空間に移動して、抗議活動を行うのが、ハクティズムの潮流と重なっている。
わかりやすい例として、「バーチャル・シットイン(仮想座り込み)」と呼ばれる抗議行動がある。これは、政府や企業のWebサイトに対して、数百人から数千人が同時にアクセスすることで、サーバーをダウンさせる行為だ。現在はサーバーの負荷を分散化する技術があり、それだけでダウンさせることは難しくなっているため、マルウェアで不正に乗っ取った複数のPCから、1秒あたり数百万回のアタックをする「DDoS攻撃」へと過激化している。
それ以外でも、ハクティビズムによる抗議行動の手法には、Webサイトの改ざん、サイトの訪問者を抗議活動のページに誘導するリダイレクト、攻撃対象者の個人情報(住所、電話番号、犯罪歴、恥ずかしい写真など)をハッキングによって入手して、オンライン上に晒す「Doxing(ドクシング)」などがある。
世界で知られているハクティビズムのグループには、Anonymous、Legion of Doom(LOD)、Masters of Deception(MOD)、Chaos ComputerClubなどがあるが、彼らはメンバー間の思想の違いによっても、グループが分裂して新たな集団が形成されていくため、全体像を把握することは難しいと言われている。
《ハクティビズムの活動目的》
・オンラインでの言論統制に対する抗議
・人種差別に対する抗議
・移民が国境を越えるための支援
・戦争行為への抗議
・政府や大企業の権力を崩壊させる
・貧富格差、資本主義への抗議
・悪質な団体への資金ルートを断ち切る
ハクティビズムには、司法の手を借りずに、世の中の不正をただす「自警団」としての側面もあり、時には市民から賛同の声が上がることもあるが、活動の内容は年々、大胆かつ過激になっている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・ハクティビズムによる社会運動の特徴
・世界で過激化するハクティビスト活動
・ランサムウェアによる脅迫ビジネス
・ランサムウェアの攻撃モデル開発
・事業化されるランサムウェア開発
・ブラックハッカーのチーム構成と収益構造
・ホワイトハッカーを活用したセキュリティ対策
・倫理ハッカーによるセキュリティ診断ビジネス
・認定ホワイトハッカーの育成ビジネス
・日本でのホワイトハッカー育成動向
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2022.3.13
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