節約と投資が融合する若者のスリフティング文化
若者の投資意欲が高まる反面、生活の中で無駄な出費はできるだけ抑えようとするのも、2022年のトレンドとなっている。コロナ禍で収入減少の影響を最も受けているのは30歳未満の層だが、彼らの中では住居の賃貸率が高いため、家賃負担で生活が厳しくなっているのは、世界の先進国に共通した傾向である。
そこで海外では、「Thrifting(スリフティング=節約)」がキーワードとして流行り、節約生活を苦労と思うのではなく、スリフティングをクールな生活スタイルと捉えると捉える価値観が広がり始めている。それに関連したビジネスとして、古着売買のプラットフォームが成長してきている。
2011年に英国ロンドンで創業した「Depop(デポップ)」は、欧州と米国を中心に展開される古着売買のフリマアプリで、Instagramのような写真投稿のSNSにeコマース機能を組み合わせているのが特徴である。ユーザーは、古着の写真に説明文を加えて投稿すると、フォロアーからの「いいね」やコメントが付き、買い手を見つけることができる。現在は3000万人以上のユーザーを獲得しており、その9割は26歳未満のZ世代となっている。
Depopが他のフリマアプリと異なるのは、古着を安く売るだけでなく、人気ブランドの限定品や、古くても希少性の高いビンテージアパレルが、新品当時の価格よりも高値で取引されている点である。そのため、地域のリサイクルショップで掘り出し物を見つけて、Depopで転売する副業も成り立っており、トップセラーの中では、年間30万ドル以上を稼ぎ出している。
転売で利益を出すことについては、批判的な声もあるが、Z世代の中では、服を使い捨てにしないという点から支持率が高い。また、古着の転売は、小資金からスタートすることができるため、貧しい若者でも成功のチャンスを掴めるスモールビジネスとして推奨されている。会社に勤める賃金だけでは、実質所得は伸びていかず、富裕層との格差が広がるばかりだが、海外では古着やスニーカーの転売を足掛かりとして、起業や投資の元手を作る若者が増えている。
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