アルゴリズムで淘汰される職業ユーチューバーの転換期
個人が気軽にできる副業として、YouTuber(ユーチューバー)の人気は高まり、新たな収入源としてYouTubeチャンネルを立ち上げる芸能人も増えている。若い世代ほど、TVからYouTubeへの移行は進んでおり、動画配信がいま最も多くのフォロアーを集められるコンテンツであることは間違いない。
市場調査会社のクロス・マーケティングが行った「YouTubeの利用実態調査」によると、YouTubeの視聴時間が最も長いのは19~22歳の男性(主に大学生)で、1日の視聴時間が3時間を超している層が33%いる。1日30分以上の視聴をする層までを含めると、30代前半までの世代は5~7割がYouTubeを毎日視聴している。
そこで気になるは、ユーチューバーの収益事情だろう。専業ユーチューバーを目指して、これから動画配信を始めたい人にとって、YouTubeの収益構造がどのように変化しているのかを、把握しておくことは重要である。
YouTubeでは、動画配信をする総チャンネルの詳細データを公開していないが、世界のYouTubeチャンネルを分析する「tubics」によると、100万人以上の登録者数を獲得しているチャンネルは、 2019年の時点で前年比65%増加した。2016年には、100万人以上のチャネルは世界で2000件しかなかったが、2020年11月には2.2万件に増加している。
しかし、YouTubeを新規で始めるユーザーも急増しており、2020年にはチャンネル数が前年比で23%増加して、登録者が10人以上の総チャンネル数は3,800万件を超している。YouTubeは、登録者が10万人を超すチャンネルを「シルバー」、100万人超を「ゴールド」、1000万人超を「ダイヤモンド」として表彰しているが、専業ユーチューバーとして活動していく最初の目標となるシルバーチャンネルに到達できるのは、全体の1%未満に過ぎない。
■How Many YouTube Channels Are There?(tubics)
さらに、数十万人規模の登録者を獲得できたチャンネルも安泰というわけではない。Googleのエンジニアが公開している研究論文によると、YouTubeは「レコメーションエンジン」と呼ばれる、AIアルゴリズムを介して表示される「オススメ動画」の視聴が7割を占めている。視聴時間とクリック率の高い動画を投稿し続けていかないと、ユーザーに動画がレコメンドされなくなり、再生回数が落ち込んでしまう。
■Deep Neural Networks for YouTube Recommendations
そのため、チャンネル登録者の数自体は価値を失ってきており、ユーチューバーとしての収益モデルも転換期を迎えている。動画マーケティングを展開したい企業にとって、従来のアドセンス広告枠に予算を投下していくことが最善策とは限らず、多様な方法を模索していることも、ユーチューバーの収益構造に影響を与えている。
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・アルゴリズムに依存するユーチューバー収益構造
・企業が着目する弱小インフルエンサーの価値
・フォロアー階層別のエンゲージメント特性
・ニッチ化するインフルエンサー商圏の動向
・ナノインフルエンサーの収益モデル
・インフルエンサーエージェントの業界構造
・インフルエンサーマーケティングの受発注ルート
・従業員インフルエンサーの育成によるブランド価値の高め方
・動画を集客ルートとしたライブコマースの特性と販売手法
・Z世代インフルエンサーを活用したマーケティングビジネス
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2021.3.22
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