媒体で異なる動画広告の集客効果とエンゲージメント特性
eコマースサイトや企業サイトへの集客を促す手法としては、グーグルの検索エンジンに頼るか、ブログやニュース記事へバナー広告やテキスト広告を掲載するのが定番だったが、その効果は年々薄れてきている。それに対して、動画コンテンツの効果は、写真やテキストよりも高いことが実証されてきている。
ソーシャルメディアの効果測定を専門としている「Mention」がInstagramに投稿されているコンテンツ(1億1000万件)を調査した結果でも、動画の投稿は、画像よりも2.1倍多くのコメントを受け取ることができ、「いいねの数」と「コメント数」による全体的なエンゲージメント率でも38%高くなっている。ただし、動画に対するユーザーの評価は、コンテンツの面白さや出来映えよって、写真よりも偏りが大きい。
Instagramに投稿できる動画は「60秒以内」となっており、地域、年齢、家族構成・学歴などの条件でターゲット設定したユーザーへ、動画広告としても配信することができる。さらに、24時間で投稿が消滅する「ストーリーズ(Stories)」への動画広告は、最大15秒以内となっているため、活用のアイデア次第で、企業のブランドイメージや新製品の特徴を短時間で伝えられる効果がある。
たとえば、IKEAで販売される、カーペットの下に敷く滑り止めマットの紹介動画は、モンスターの着ぐるみを着た子どもを追いかける父親のユーモラスな映像を15秒以内に収める中で、商品の性能を上手に紹介している。
また、FacebookやTwitterでも、事業者向けに動画広告を投稿できる機能が用意されている。その中でも、60秒以内の短い動画が多く投稿されており、テキスト広告よりも高いエンゲージメントを獲得している。インバウンド用のマーケティングツールを開発する「HubSpot」の研究によると、SNSに投稿する動画広告で高いエンゲージメント率を獲得する上での最適な尺は、30~60秒と算定している。
SNSの媒体によって、動画広告の最適な長さが異なるのは、ユーザーがコンテンツを閲覧している時間や、ページをスクロールしたくなるタイミングによるものだ。Instagramの場合には、本来は写真で直感的にメッセージを伝えるSNSであるため、他の媒体よりもページをスクロールするタイミングが短い。こうした特性を踏まえると、企業の販促プロモーションとして、1本の動画をネットに拡散していくには、それぞれのSNSに適した長さに再編集して投稿することが望ましい。Instagram上で活躍するインフルエンサーも、YouTuberとは異なる動画の編集スタイルに長けている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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・JNEWS LETTER 2019.5.20
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