多様性社会の議論を巻き起こす動画マーケティング

JNEWS会員配信日 2017/5/3

 企業が炎上を避けたいと考えれば、できるだけ公平、中立的な発言に終始するのが良いが、それだけでは話題性が乏しいため、意図的に議論を巻き起こそうとするCM戦略もとられてきている。2017年2月に行われたスーパーボウルのCMでは、特にその傾向がみられた。これは、わざと問題発言をして世間を注目させる炎上マーケティングとは性質が異なるものである。

ビール会社のバドワイザーは、移民である同社創業者のストーリーを描いたCMを流したが、反感を持つ視聴者も多かった。これは、トランプ政権が一部の国からの入国制限や、不法移民退去などの政策を打ち出しているため、トランプ支持者が反発したものと考えられている。

ツイッター上では、バドワイザー商品のボイコット運動も起きたが、同社はネガティブなコメントに対して、「コマーシャルは政治とは関係なく、アメリカの理想を祝うものだ」と丁寧に返信をつけるという対応をした。

■Budweiser 2017 Super Bowl Commercial

同じく、2017年スーパーボウルの広告主である、建築用の木材や内装資材を販売する「84 Lumber」は、さらに直接的に移民受け入れを訴えるCMを放映した。

メキシコから米国への入国を目指す貧しい母子の旅を描いたもので、国境に辿り着いた時には、高い壁が立ちはだかるというストーリー。その映像は、大きな物議を醸すことが予想されたため、スーパーボウルのCMでは、表現をマイルドにした1分30秒の短縮版が放映され、約6分の本編を同社の公式チャネルで見るように誘導している。この動画は視聴回数が1,000万件を超している。

■84 Lumber Commercial(短編)

トランプ政権の移民政策については、米国民の中でも、およそ半々の賛否両論がある。そこに議論を巻き起こす一石を投じるCMを流すことには、企業マーケティングの手法としては新しく、これまでは、その企業に関心の無かった消費者層に、会社や商品の存在を周知させる効果がある。

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JNEWS LETTER 2017.5.3
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