JNEWS会員配信日 2015/2/27
ゲームに熱中する人達は、膨大な時間をプレイのために費やしている。冷静に考えれば、そこでハイスコアを上げても大したメリットは無いわけだが、ゲームには、ドラッグやギャンブルと同様の依存性があることが、脳科学の研究からも実証されてきている。
さらに、友達と協力したりスコアを競ったりするソーシャルゲームには、従来のテレビゲームよりも刺激的な報酬回路が作用すると言われている。心理学で有名な「マズローの欲求5段階説」でみると、上位3段階の欲求をソーシャルゲームは仮想的に満たすことができるのだ。
人気化しているソーシャルゲームをみると、これらの欲求法則を満たす項目が各所にあり、それを視覚や音響面でも華やかに演出している。スコア(得点)によって他者との比較をしやすくして、各目標(各ステージのクリアなど)へ到達するすれば、ボーナスやバッジを与えることで、アイテムの所有欲も満たすことができる。
これらのテクニックは、ゲーム開発者が初めから意図したものではなく、結果として、成功したゲームが備えている機能には共通点が多いことで、少しずつノウハウとして蓄積されてきたものである。
《人気ソーシャルゲームが備えている共通》
- 友達からの招待機能(ゲーム参加への動機付け)
- キャラクターの育成機能
- アイテムの収集機能
- ランキング機能(自分の順位が一日単位、週単位で確認できる)
- 報酬機能(ゲームの到達度に応じた仮想的な報酬制度)
- ゲーム内で社会的地位が向上していく仕組み
- 友達との共有機能(ゲームの進捗状況を友達に通知できる)
- エンディングが無く、ゲームが延々と進化していく
ここで重要なのは、ソーシャルゲームへのモチベーションを高める報酬としては「金銭」が使われていないことだ。逆に、報酬に金銭を使うと、ゲームが友達へとシェアされにくくなる特性がある。
脳の研究では、人間は金銭的な報酬よりも、人から褒められる、尊敬される、知名度が向上するなどの「社会的報酬」を与えられた時のほうが、脳の血流が活発になることが確認されているが、それがゲームのプレイヤーにも当てはまるという見方がされている。
報酬回路への反応には、もちろん個人差はあるが、言い換えると、社会的報酬に敏感な人ほど、ソーシャルゲームにハマりやすいという考察ができる。そして、社会的報酬には依存性があり、地位の向上などで“快感”を得られると、さらに高い地位を目指したいという欲求が強くなっていく。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●人はなぜソーシャルゲームにハマるのか?
●ゲーミフィケーションによる販促マーケティング
●リアルイベントと融合させたゲーミフィケーション
●ゲーミフィケーションを活用した新薬開発と医療
●ゲーム開発会社の新活路とプラットフォーム化
●ゲームとして楽しむ従業員健康改善プログラム
●万能では無いゲーミフィケーションの欠点について
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.2.27
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