自分の髪を収益化する副業とウィッグのハンドメイド制作
コロナ禍以降、世界では脱毛に悩む人が増えたことで、エクステンション(付け毛)やウィッグ(かつら)の毛髪材料が不足する事態が起きている。これらの商品に使用される毛髪には、アクリルやポリエステルを素材とした人工毛と、人間の毛(人毛)とがあり、製作原価を下げるために両方をミックスして製品が作られるのが一般的である。
毛髪の自然な質感を出すには、人毛の割合を高くすることがポイントとなるが、大手の業者は、人毛の調達先や含有割合を公開していない。反面、製品の価格は高いため、透明性の低い業界といえる。この問題を解決するため、海外では人毛の直接売買をするヘアーマーケットプレイスが、新分野の事業として成長しはじめている。血液や臓器とは異なり、毛髪を売買することは合法なため、長く伸ばした自分の髪を売却することは、割が良い副業としても注目されている。
《海外のヘアーマーケットプレイス例》
■BuyandSellHair.com
■OnlineHairAffair.com
■HairSellOn.com
※Buyandsellhair.comの出品リスト
これらのサイトでは、売り手が髪の価格を決めて出品掲載をして、買い手側は髪の長さ、色、髪質の状態によって、希望の髪を購入する。特に、染色やパーマなどの化学処理を一度もしたことが無く、キューティクルがダメージを受けていない髪は「バージンヘア」として高く評価されている。以前はパーマをかけていたが、再度ストレートで伸ばした髪は、バージンヘアとしては扱われない。
HairSellOnのサイトでは、髪の価値を自己算定できるヘアプライス計算機能を用意しており、そこで表示される評価額を元に、出品価格を決める流れになっている。算定の条件となるのは、髪の長さ、髪の太さ(ポニーテールでタイトに結んだ周囲の長さを測定)、カラー、バージンヘアか否かの項目で、たとえば、20インチ(約50センチ)、髪の太さはポニーテールに束ねて6インチ(約15センチ)、カラーは茶褐色、バージンヘアという条件では、764ドル(約8.4万円)の評価額になる。さらに若くてコンディションの良い髪には、1000ドル(11万円)以上の値が付くこともある。
■Hair Price Calculator(HairSellOn)
ヘアマーケットプレイスで毛髪の買い手となっているのは、およそ9割がウィッグ(かつら)やエクステンション(付け毛)の製作業者である。この業界は、これまで大手業者が毛髪の大量買い付けでノウハウを持っていたことから市場を独占してきたが、マーケットプレイスでの毛髪調達が容易になったことで、中小業者や個人でもウィッグの製作ビジネスに参入できるようになっている。ハンドメイド・マーケットプレイス「Etsy」の中でも、人毛を使用した女性向けウィッグが販売されている。
さらに、完全オーダーメイドのウィッグを10万円前後の価格設定で製作する業者も海外では多数登場してきている。女性用ウイッグの需要は、ファッション用途の他に、ストレスによる円形脱毛症、抗がん剤治療等による医療用途で増えている。
今のところ、医療用ウイッグの購入は公的保険の適用にはならないが、民間の保険会社や自治体の中では、購入費の助成金制度を設けるケースが増えている。そのため、医療ウィッグの市場は、通常のウイッグとは異なるルートで成長しはじめている。
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