成功するアマゾンセラーの特徴と独自商材の開発方法
海外で成功しているアマゾンセラーの特徴からは、今後のeコマース小売業がどのように変化していくのかを読み取ることができる。具体例として、「AngryOrange」は、柑橘系の香りでペットの匂いを消す消臭剤で、オハイオ州在住のアダムセントジョージ氏(52歳)が考案、開発して2014年からアマゾンで販売を開始した。オレンジの皮に含まれるオイルを原料としているため安全に使用することができ、尿スポットの強いアンモニア臭も消臭できることから人気に火が付き、事業開始から4年後には年間売上が200万ドルを超すことができた。
アマゾンセラーの買収を専門に手掛ける「Thrasio」はこの商品に目を付けて、2018年に170万ドルで買収している。その後は商品のパッケージを刷新してブランドイメージを高めることや、アマゾン内の検索対策として、ペット関連のキーワード(数十種類)で1位を獲得して顧客を集めること、さらにペット分野のインフルエンサーと提携して口コミを広げることにより、商品の知名度を高めている。
また、ユーザーのアクセス動向から、AngryOrangeの購入者は、ペットの尿で汚れたカーペットのクリーナー剤も探していることも発見し、該当の新製品を開発するなどして、AngryOrange関連事業の売上を買収時よりも8倍に伸ばしている。
■AngryOrange(Amazon)
■前オーナーのインタビュー映像
その他にも、Thrasioはキッチン用品、フィットネス器具、ベビー用品などを中心として、多品種の商品カテゴリーの中から買収候補のアマゾンラーを物色している。これはThrasio創業者が、前職が株式トレーダーとして13年のキャリアを持つことと関係しており、ニッチなカテゴリーで人気の高い有望商品に分散投資をして、全体の売上変動リスクを抑えている。
その中でも重視しているのが商品の利益率で、売上高から商品原価と諸々の経費を差し引いた純利益として「20%」が確保できる商材であることを買収の基準としている。これは、メーカー品を仕入れて販売するだけの小売業では難しく、独自に開発されたプライベートブランド商品に候補が絞られてくる。
たとえば、Thrasioの買収リストにある「Bitly」は、歩くと足の踵(かかと)が痛む足底腱膜炎に効果のあるフットスリーブ(足首用サポーター)で、1足あたり9.99ドルの設定だ。この症状は、足の踵と指の付け根を繋ぐ腱膜が炎症を起こすもので、人口の1割が罹患すると言われている。
Bitlyは、足首にフィットする形状で血液循環を高める効果があり、通気性にも優れていることから、靴を履いている時間の長いビジネスパーソン、高齢者、アスリートなど幅広い顧客層からの注文がある。リーズナブルな価格帯で注文件数を増やしやすい一方で、高い利益率が見込める商材だ。
■Bitly Plantar Fasciitis Compression Socks(Amazon)
(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2020.11.23
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
■この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
・プライベートブランドを柱とした小売業界の再編トレンド
・ネット起業者が保有するアカウント資産の価値と凍結リスク
・ミニマリストをターゲットにしたD2Cブランドの商品開発
・ブランド資産を守るプロテクション・テクノロジー開発
・副業スモールECビジネスの価値を高める方法と評価基準
・アマゾンの価格変動を攻略するマーケットプレイス出品者
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。
(副業・スモールビジネス事例)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2020年11月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。