自動車整備士の業界にも、カーディーラーや整備工場に勤めずに、フリーランスとして出張型の修理サービスを行う働き方が出てきている。従来よりも工賃単価は安いため、ナビやドライブレコーダーの取り付けなどで利用者が増えている(JNEWSについてトップページ
年収アップを目指すフリーランス整備士の働き方

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JNEWS会員配信日 2019/10/7

全国に自動車整備士は約33万人いるが、整備工場での人材不足は深刻化している。
ディーラー系整備工場では、自動車メーカーからの大量リコールが発生した際の部品交換作業を行っているが、整備士が不足しているため、顧客からの入庫を数ヶ月から半年以上待ってもらわないと対応ができないような状況だ。中小の整備工場でも若い人材が集まらないため、整備士の高齢化(平均年齢50.8歳)が進み、後継者不在で廃業するケースも多い。

整備工場の人材不足は、他の業界とも共通しているが、若者が「整備士」の仕事に夢が抱けなくなっていることも大きい。整備工場での整備要員1人あたり売上高はディーラーが約2,300万円、他の専業・兼業工場は約980万円。それに対して平均年収は、ディーラーが460万円、専業・兼業工場は350万円といずれも低い。

自動車整備士は、国が定めた自動車の安全運行に不可欠な専門資格であるため、自動車業界がEVやMaaS(Mobility as a Service)の時代に移行しても、職業自体が無くなってしまうことはない。しかし、仕事の専門性や忙しさに対して、待遇面で正当な評価がされていない点では、医療業界の看護師や、介護業界の介護福祉士、美容業界の美容師とも似ている。

そのため、ワークライフバランスと収入の向上を目指して、整備士がフリーランス化する動きも出てきている。2019年5月からスタートした「Seibii(セイビー )」は、整備費用を安く抑えたいユーザーと、国家資格を保有するフリーの整備士とを仲介するオンデマンドサービスで、顧客の自宅やオフィスに出張する形で自動車整備が行われる。現在は東京・神奈川・埼玉・千葉(松戸市)を対応エリアとしている。

出張整備の対象としているのは、認定・指定工場でなければ行えない分解整備を除いた、ドライブレコーダーやカーナビの取付け、エンジンオイル・フィルター交換、バッテリー交換などが中心で、法定12ヶ月点検や車検整備にも対応している。各作業の料金は、オンライン予約時に確定されるため、整備士が訪問した後に、割高な料金が請求される心配は無い。

たとえば、ドライブレコーダーの取付けを依頼するケースでは、ディーラーの料金設定は30,000円、カー用品店は25,000円が相場だが、Seibiiでは19,980円の料金が設定されている。一方、出張取付けをする整備士に対しては、時給2,500円以上の報酬が保証されている。そのため、整備工場に勤める整備士が、休日の副業としたり、働き方の自由度を高めたい整備士が本業として取り組むことも可能だ。

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