社員の副業を解禁する企業が増えている中、副業についての規定やルールを設ける必要が生じている。参考になるのは大学教授の副業規定で、書籍の出版や講演活動、民間企業への助言指導などは認められている(JNEWSについて
大学教授の兼業制度に学ぶ副業ルールの作り方

JNEWS会員配信日 2017/2/17

 本業と並行しながら副業を実行することは、ローリスクな起業の方法として、30、40代のホワイトカラーやエンジニア職にも広がっている。それに伴い、社員を雇用している企業側でも、副業についての規定やルールを設ける必要が生じている。

米国でも、正社員の副業を完全フリーな形で認めている企業は少なく、就業規則で、完全に「副業は禁止」と明記しているケースや、届け出制により、副業の内容を審査してから許可するケースなど、対応が分かれている。

就業規則の中に副業の禁止・許可をどう盛り込むかは、会社の事業内容によっても異なり、特にIT、バイオテック、セキュリティなど、最新テクノロジーを開発する企業では、機密情報の漏洩リスクと併せて考える必要がある。

しかし、副業を厳格に禁止することは、就業時間外の個人的な活動に介入する“人権侵害”と捉えられる恐れや、窮屈な社風により、有能な人材が会社を去って行くことも考えられる。

そこで、副業ルールの指針として参考になるのが、大学教員に示されている副業ルールである。国公立の大学教員は「みなし公務員」の立場にあたり、通常の副業が禁止されているが、大学教授が本を出版したり、講演会で報酬を得ているケースはよくある。



本の原稿料や印税を得ることは「副収入」にあたるが、「副業」には該当しないという解釈が一般的で、専門書や教材テキストの執筆は普通に行われている。講演会に招かれて講演料を受け取ることについても、大学の勤務時間外であれば問題は無く、地方の自治体が主催する講演会でも、大学教授(個人)に対して謝礼が支払われている。

大学教員が民間企業の役員や顧問になることは「兼業」に該当するため、通常はできないが、技術の指導や助言をする正当な目的があれば、届け出、許可を受けることで合法的に認められる。また、米国では、教員が大学の施設を利用して特許技術を開発し、そこからライセンス収入が得られる場合には、教員個人と大学とで、収入を分配する割合が事前に決められている。

国立大学教員の兼業制度について(文部科学省)

そもそも、役所などに勤める公務員の副業が禁止されているのは、税金で雇用されている立場でありながら、他の仕事を兼業することは、公務の遂行上で問題があるという考えによるものだ。しかし、個人的な収益活動をすべて禁止できるわけではないことから、副業の抜け道も存在している。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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